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ある晴れた日に
99部分:小さな橋の上でその十五
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小さな橋の上でその十五

「さっきから随分と俺に突っかかるな。何が不満なんだよ」
「不満はないけれど」
「あんたの行動ってね。その一つ一つが」
「一つ一つが?」
「非常識だから」
「はっきり言って馬鹿だし」
 相変わらず言葉には何の容赦もない二人であった。まさに一言言えば二言で返す、そんな感じで野本に対して言い続けるのだった。
「だからよ」
「音橋と一緒でね」
「おい、俺もかよ」
 自分にも話を振られてふて腐れたような顔になる正道だった。
「さっきから随分好き勝手言ってくれてるけれどな」
「あんたも大概だからね」
「言われても仕方ないでしょ」
「言われたらそれだけ言い返されるとは思わねえのかよ」
「何が?昨日ベイスターズ勝ったし」
「ヤクルトも。巨人にね」
 だから怖いものはないといった感じの二人だった。ここで野球が出て来るのはもうこのクラスのお約束となっていた。これで巨人ファンが一人もいないのが関西らしい。
「だから何言われても怖くないわよ」
「私も」
「チビ」
 ここで正道はこう言った。
「チビ。これでどうだ」
「全然」
「私これでも身長一六〇あるし」
 意外と背はある奈々瀬だった。顔は幼いが背は思ったよりあるのである。
「少年は確かに小さいけれどね」
「私背は気にしないし」
 本人の言葉である。
「言われてもね。全然」
「平気なのかよ」
「残念でした」
 得意げな声を出す明日夢だった。表情も正道を笑い飛ばすような感じになっていた。
「今更気にしていないわよ」
「ちっ、タフな奴だぜ」
「結局これ以上は伸びなかったのよ」
 コンプレックスに感じているどころか自分から言う程だった。どう見ても全く気にしているところはない。なお彼女はクラスでは一番小柄である。
「どうしてもね」
「女の子って中学生で成長止まるからね」
 今まで彼等の話に入っていなかった加山が言ってきた。
「だから中森さんだってあれ以上は伸びないよね」
「凛は正直羨ましいけれど」
 明日夢は実際に羨むような顔をここで見せた。
「背はともかくとしてね。スタイルがね」
「スタイルがかよ」
「凄くいいじゃない」
 こう正道に言うのだった。
「それが。やっぱり」
「そうかね。俺は何とも思わないけれどな」
「あんたひょっとして朴念仁でしょ」
 今の正道の言葉に突っ込みを入れてきたのは奈々瀬だった。ここで一行はやっと歩きだした。未晴がリュックの中を整理していてその間休憩となっていたのだ。
「凛見てそれって」
「まあ背は高いよな」
 本当にこれだけといった感じの言葉だった。横に並んで山道を歩いている明日夢と奈々瀬の方を振り向いての言葉であった。
「けれどな。他は別に」
「手足長いわよ」
「そう
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