蒼紅:第十七話 天主
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も…」
「お前と無駄話をするつもりはない…シアンを解放しろ」
「やれやれ、君のお兄さんよりは理性的なようだけど、兄弟揃ってせっかちだな…まあ、いいか。今から君は、この装置の優秀さを、身を以て知るんだから」
紫電の背後に現れたのは、モルフォだったが、どこか様子がおかしい。
『………』
目の前の彼女からは、かつての溌剌とした意志の強さは感じられない。
まるでそれは、感情の無いプログラムデータのように見える。
「モルフォに何をした…!」
「言っただろう?電子の謡精を制御する装置だって、今の僕には、モルフォの加護がある…いくら君でも勝ち目はないと思うよ?」
モルフォが歌うと紫電が念動力で浮遊し、障壁らしきものが紫電を包む。
「さあ、始めようか?ガンヴォルト」
「っ!!」
紫電は手のひらをGVに向けると念動力を利用した攻撃を仕掛けてくる。
それを何とか回避しながら避雷針を紫電に撃ち込もうとするが、障壁に阻まれてしまい、電子の刃がGVに襲い掛かる。
「モルフォが生み出すこの電子障壁(サイバーフィールド)がある限り、君の攻撃は僕に届かない。そして同時に、彼女の力が僕の第七波動・“念動力”を高めてくれている…“宝剣”を使わずにこのパワー、やっぱり彼女は凄いね!」
『…G…V…』
「…っ!」
『お願い…アタシを…止め……て……』
歌いたくもない歌を歌わされ、そしてGVに対して攻撃することを拒絶したい気持ちがモルフォの意識を呼び戻したのか、絞り出すような声を出す。
「まだ意識があるのか…でも、無駄なことさ。君の力は全て、僕の手中にあるんだから」
「シアン(モルフォ)の心を弄ぶ…お前だけは絶対に許さない!」
「テロリストの許しなんか最初から求めちゃいないさ、全ては平和のため……中途半端な覚悟ではないつもりだよ」
「平和…だと?」
「君も能力者なら言われたことがあるだろう?僕達、能力者は危険な化け物…1人1人が未知の兵器を所持しているようなものだよ…危険極まりない…。管理が必要なことぐらい、君にも分かるよね?」
「こんなやり方じゃなく他の方法だってあるはずだ…」
「時間をかければ或いは…ね?でも、ないんだよね…時間もさ。知っているかい?今、多くの海外企業や団体…果ては某国の政府までがこの国を支える能力者の…“皇神の技術”を狙っている…。」
GVは攻撃をかわしながらどうにか攻撃を当てようとカートリッジをナーガに切り替えて避雷針のチャージショットを撃つが、これも通用しない。
「皇神…いや、この国は色々と敵が多いんだ。フェザーだってその1つ… 国家存続のためにも、今は一刻も早く危険要因を取り除いて…兵力を蓄えなければいけない時
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