第一章
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蛇の祭壇
デオリンダ=フェレイラとマリーメイア=ロアは今はデオリンダの神託でマカオに来ていた。今日もマカオは賑やかであった。
だが街を見ると妙にだった、蛇が多く。
デオリンダは怪訝な顔でマリーメイアに話した。
「あの、確かにです」
「マカオはやね」
「この世界でも暑い場所にあるので」
「亜熱帯やからね」
実は寒いカナダで生まれ育ってきたマリーメイアには辛い気候だがこのことはあえて言わないでデオリンダに応えた。
「そこはやね」
「はい、どうしても蛇はいますけど」
それでもとだ、デオリンダはマリーメイアに話した。
「それでも今は」
「多過ぎるな、ちょっと」
「私が知ってるマカオはこれの十分の一もです」
「蛇はおらん」
「その筈ですが」
それがというのだ。
「この数は」
「あたしが見てもこれは」
まさにとだ、マリーメイアはデオリンダに話した。賑やかさはそのままだがそれでもとだ。マリーメイアはさらに言った。
「多過ぎるわ」
「ほんまにそうですね」
デオリンダも頷くことだった。
「これは駆除せんとあきませんね」
「街の為にもな」
「はい、ここは」
是非にとだ、デオリンダはさらに話した。
「市長さんにもお話して」
「そしてやな」
「蛇を何とかしましょう」
「そやな、しかし」
ここでまた言ったマリーメイアだった。
「中には毒蛇も大蛇もおるし」
「蛇の種類も豊富ですね」
「ここまで種類が多彩やと」
どうかとだ、マリーメイアはこうも言った。
「台湾かオーストラリア並やな」
「そうですね、どっちも蛇のメッカですけど」
「そこ並にな」
「今のマカオは蛇が多いです」
「こっちのマカオでも繁華街賑わってるやろ」
「カジノも」
「そのカジノにも蛇がよおさんおったら」
その場合はと言うのだった。
「難儀やな」
「それも充分有り得ますし」
「ここはやな」
「まずは市長さんのところに行きましょう」
「それで事情を聞くか」
「そうしましょう」
二人で話す、そしてだった。
まずはマカオの市庁舎に行った、そうして市長であるアスツール=サンターナと会った。兎人の四十代の男である。
その市長も困った顔で自分と共に市庁舎の中の喫茶店でコーヒーを飲みつつ話しているデオリンダとマリーメイアに話した。
「いや、本当にですよ」
「この度のことは」
「蛇が急に異常発生して」
「ここまで多いと」
「困ります、鼠を食べてくれることはいいとして」
「噛まれるからですね」
「子供が襲われるだけでなく」
それだけでなくというのだ。
「大の大人もです」
「毒蛇に噛まれて大蛇に襲われて」
「市民の被害も深刻です」
「そうですか」
「はい
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