第一章
[2]次話
悪魔人形
欧天達とダヴィド=アグノンは今は欧の神託で地下世界のシビウという街に来ていた、今この街はというと。
随分と暗鬱とした状況だった、それで欧はアグノンに言った。
「何かあったとしかな」
「思えんな」
「ああ、ほんまにな」
「これはやな」
「ギルドに行くよりも」
それよりもと言うのだった。
「ここは市長さんのとこに行ってな」
「それでやな」
「何でこうなってるか」
「そのことを聞くか」
「そうしよな、ほんまにな」
「街のこの状況はな」
「何かあったとしかな」
それこそというのだ。
「思えんからな」
「ああ、そしてな」
「この街をどうにかすることがな」
それこそがとだ、欧はアグノンに東欧それも南部のそれの色が強い美しい街の中で話した。暗鬱とした中にあるが街の美しさは確かだった。
「わしの神託や」
「まあそやろな」
「そやからな」
その象人の顔で言うのだった。
「ここはな」
「ああ、まずはな」
「市長さんのところに行こうな」
「ほなな」
アグノンも頷いた、そうしてだった。
二人で街の市長であるニコラエ=ゲオルギューのところに行った、市長はノームの老人だった。濃い髭の顔が灰色のスーツによく似合っている。
市長は身分を明かしたうえで街の事情を聞いてきた二人に項垂れた顔で話した。
「街では今子供が失踪し夜道で通り魔が出てモンスターも下水道に出て」
「そうしてかいな」
「はい、治安がです」
それがというのだ。
「荒れていて」
「それでか」
「この通りです」
欧に項垂れた顔で話した、欧は今は市庁舎の市長室においてアグノンと共に応接用のソファーに座りそこで向かい側のソファーに座る市長から話を聞いていた。
「街の雰囲気は最悪です」
「子供が失踪して」
「七人も」
「そして夜には通り魔が出て」
「犠牲者が続出し今では誰も夜に出ようとしません」
「そして下水道もかいな」
「モンスターが出て」
そうなっていてというのだ。
「もう何から何まで」
「乱れてるんんやな」
「街の警察も頑張っていますが」
「対処しきれてへんか」
「はい、特に下水道が」
こちらがというのだ。
「冒険者の人達にギルドから頼んで」
「モンスター退治をやな」
「してもらっていますが」
それでもというのだった。
「全くです」
「成果はあがってへんか」
「通り魔もです」
それもというのだ。
「ありません、とにかくです」
「今の街の状況はか」
「最悪です、お二人が何とかして頂けるなら」
それならとだ、市長は欧に頼み込む様に語った。
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