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レーヴァティン
第百二十一話 即位その一

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               第百二十一話  即位
 久志は仲間達と共に皇帝にどの様にしてなるのかを考えていった、これは半島と新たに領地にした地中湖南岸の統治も含めてだ。
 農業や商業、漁業に鉱業や手工業の発展にも力を入れつつ技術や投資にも力を入れた。戦が一段落するとそちらに予算もかなり注ぎ込んだ。
 そうしつつ統治の為の官僚制を整えつつだ、さらにだった。
 久志は仲間達にローマの自分の官邸で言った。
「まあとにかくな」
「今はですね」
「ああ、皇帝にどうしてなるか」
 順一にこのことを話した。
「それだよな」
「そうです、まずこの世界では」
 順一は久志にこの世界のことをさらに話した。
「ローマ教皇の様な」
「絶対の権威がないな」
「その権威に帝冠を授けられ」
 そしてというのだ。
「統治、世俗のその権威をです」
「認められるって形じゃないな」
「そうです」
「じゃああれだな、俺はなるしな」
「受け継ぐものでもないので」
「だからな」
 それでというのだ。
「近いのは中国の皇帝か」
「創業の」
「漢の高祖だな」
「要するに」
「皇帝を名乗ってな」
 自分からだ。
「それでその勢力を確立させて」
「後で権威が来る」
「そうした形になるか」
「要するに、ただ」
「この形は本当に下手をするとな」
「ナポレオンは成功例としても」
 最後はともかくとしてだ、少なくともナポレオンはその絶対的な軍事的才能とそこから生まれたカリスマによりフランス国民から絶対的な支持を得た。
「まことにボサカ一世は」
「最悪だよな」
「国民の支持があれば」
「皇帝になってもか」
「僭主になりません、つまり」
「国民の支持か」
「それがあれば、そして」
 順一はさらに言った。
「その支持の声があれば」
「皇帝に即位すればいい」
「その形はどうでしょうか」
 こう久志に提案した。
「貴方の場合は」
「それがいいか、正直俺は神様は神事ていてもな」
「宗教と政治はですね」
「分けてるしな」
「特定の宗教の介入を防ぐ為に」
「それもあるしな」
 政教分離政策を採用しているからだというのだ。
「だからな」
「余計にですね」
「やっぱり特定の宗教の権威はな」
「必要ないですね」
「神聖ローマ帝国みたいにな」
「皇帝は皇帝であり」
「教皇になるのもな」
 ビザンツ帝国皇帝の様にというのだ。
「ないしな」
「では」
「ああ、じゃあ国民の支持を聞くか」
 こう言うのだった。
「そうするか」
「そしてですね」
「そのうえでな」
「即位されますか」
「支持がなかったら」
 その時はというのだ。
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