蒼紅:第十二話 憎悪
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GV。
「うん、あの宝石で作ってみたの。せっかくGVから貰った物だけど…あなたに何かしてあげたくって…」
「私はリボンのお礼も兼ねてですね。ペンダントなら邪魔になりませんからお守りにでもなるかと…」
「………有り難く受け取る。」
「ありがとう、シアン…このペンダント…大切にするよ」
2人はシアンとテーラから手作りのペンダントを受け取ったのであった。
「ねえ、GV…この世界のこと…外国のことを教えてくれないかな?」
「え?」
突然のシアンの願いにGVは目を見開く。
「どうしたの?急に…」
「テーラちゃんからね…過去のことを少し聞いたの…私…何も知らないんだなって…能力者があまり良く思われてないってことは分かってたけど…外国じゃ食べるものも眠る場所もなくて死んでいく人がいるんだって知らなかったの…」
皇神に幽閉され、満足な知識を得られない環境だったとしても自分はこの世界のことを知らなさ過ぎた。
「シアン…」
「だから教えてGV…私…知りたいの…何も知らないままなのは嫌なの」
決意が込められたシアンの目を見て、GVは頷いた。
「…分かったよシアン。でも僕も外国の情勢についてはあまり分からないけど…それでも良いかな?」
「うん、よろしくお願いしますガンヴォルト先生」
「いつも通りでいいのに…」
GVは苦笑しながらシアンに外国の情勢について教えていくのであった。
「はあ…」
「どうしたテーラ?」
溜め息を吐いているテーラを見て、ココアを飲んでいたソウが尋ねる。
「いえ、シアンに少し大人げないことをしてしまいました」
「大人げないと言ってもシアンの方が年上のはずなんだがな…それで?何をしたんだ?」
一応シアンは13歳なのでテーラより2個上なのだが、それよりもテーラが落ち込んでいる理由を尋ねる。
「私のお兄様の話になり、お兄様のことを教えていたのですが、私の実の家族の話になって…」
「気持ちを抑えられなくなったのか」
「はい、シアンの言う通り…確かにモニカさんのように素晴らしい人格者がいることは認めます。ですが、私は過去に迫害されてお兄様を殺されかけたこともあって、無能力者を許すことは出来ません」
拳を握り締めるテーラにソウは彼女の頭に手を置いて口を開いた。
「別に許さなくても良いだろう」
「え?」
予想外の言葉にテーラは目を見開いてソウを見上げる。
「お前が憎いと思うなら憎めばいい。その憎しみは、気持ちはお前の物だ。憎む資格は充分ある…それなのに何故それを他人にとやかく言われなければならない?それにお前の境遇は理解出来る。俺も基本的に無能力者は憎いからな」
そう言って頭を撫で
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