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星河の覇皇
第七十二部第二章 アウトカースト政府その二
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「桁が違います」
「そうした国ですね」
「信じられない国です」
「全く以て」
 マウリアにいつつ言うのだった。
「アウトカーストについてはです」
「我々もよく知りませんでした」
「もっと言えば積極的に知ろうとしませんでした」
「この国の裏については」
 表だけでというのだ。
「交流も深くなかったですし」
「実際のところは」
 連合各国とマウリアの交流はだ、マウリアに派遣させる各国の大使達は特にこれといって働き口のない者が各国外務省の求人に応じて応募し面接の後で派遣されたりしている。
「我々も他に行く場所がなくて、でしたし」
「マウリア語は話せますが」
 流石にこれは条件になっている、さもないと情報収集もままならないからだ。ただし各国政府のマウリア大使はそもそも派遣している外交官がその大使一人という場合すらある。
「しかしですね」
「どうもです」
「中央政府が一応情報を収集していますし」
「各国は唯の親善大使という面も強いです」
「ただ派遣されているだけという」
「電話番に過ぎない日もあります」
 そうした場合もというのだ。
「ですからどうも」
「アウトカースト層の政府についても」
「彼等の政府の存在すら知りませんでした」
「大使一人だけが派遣されている国なぞ」
 そしてサハラにも一人だけだ、そうした場合は本当に只の親善大使だ。
「何をするのか」
「まさに電話番だけで」
「何もしていません」
「我々にしても同じです」
 電話番に近いというのだ。
「本国も何も言ってきませんし」
「何かあれば無事を確認してくるだけで」
「こちらにも求めるものはありません」
「まさにただいるだけです」
「そうした存在ですから」
 各国政府は連合のその各国政府間の外交に忙しい、それでマウリアやサハラに派遣される外交官も正規の外交官でない場合もざらなのだ。
「こうした場合もですね」
「本国は何も言ってきませんね」
「本国にとってはマウリアは二の次ですね」
「何といっても連合内での外交です」
 まさに生き馬の目を射抜く様なだ。
「そうした状況ですから」
「マウリアは中央政府が担当しています」 
 その中央政府にしても各国政府との外交に忙しい。連合は国内で激しい外交戦を常に行っている国であるのだ。
「中央政府が主に担当していて」
「我々はいるだけでもいい」
「給与は高いですが」
 一旦派遣されると二十年は変わらないことも多い、給与は高いが流刑地手当と揶揄されることすらある。
「しかし仕事はなく」
「こうしてお喋りをしても何も言われない」
「この情報も送ってもいい」
「そして送らなくてもいい」
「そうした状況ですから」
「今回もどうしたものか」
「どっちでもいいですから」 
 
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