第五十四話 最後の学期になってその十六
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「本当に」
「僕にはありますから。それじゃあ」
「今日もなのね」
「送らせてもらいますね」
こうしてでした、阿波野君は私を寮まで送ってから詰所の方に戻りました。そうして私は寮に戻ってです。
このことを同じクラスの娘のお部屋に行ってお話するとこう言われました。
「いい感じじゃない」
「いい感じ?」
「ちっちにとってね」
こう言ってきました。
「いい感じになってるわよ」
「そうなの」
「ええ、その子のことは前から思っていたけれど」
「どう思ってたのよ」
「本当に大事にしないと」
それこそというのです。
「ちっち後悔するわよ」
「後悔するの」
「そうなるわよ」
「ううん、こういうこと?」
私はその友達にこう返しました。
「大切な後輩の子だから」
「今はね」
「今はなの」
「それで多分これからもっとね」
今以上にというのです。
「大事な人になるから」
「もっとって」
「本当にちっちって鈍いわね」
私がわからないといったお顔になるとすぐに言ってきました。
「そこがね」
「どういうことよ」
「だから言ったままよ。まああの子の頑張り次第ね」
「いさんでいることは本当にわかるわ」
頑張るというとです。
「私よりもずっとでしょうね」
「そういう意味じゃないけれど確かにいさんでる子ね」
「そうでしょ、お休みの日にわざわざおぢばに帰ってきて」
そうしてです。
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