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ある晴れた日に
92部分:小さな橋の上でその八
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「そうなるのよ」
「ちっ、何でこんな所に蛭がいるんだよ」
 言い負かされて今度は悪態になった。気付くと蛭はもう何処かに行ってしまっていて残ったのは彼の手の傷口だけであった。
「血を吸われたなんてはじめてだぜ」
「消毒はしておいた方がいいよ」
 憮然とした顔になる野本に加山が声をかけてきた。
「それはね」
「消毒!?何でだよ」
「だってさ。蛭って普通に土の上とかにいるんだよ」
「それは俺でもわかるぜ」
「だったら消毒しておかないと」
 こう野本に言うのであった。
「傷口が化膿しても知らないよ」
「御前破傷風とかになったら大変だぞ」
 正道も彼に忠告してきた。
「だからよ。ここはな」
「それもそうか。じゃあよ」
「はい」
 未晴が早速濡れたティッシュと薬を出してきた。
「これ使って」
「おお、悪いな」
「ウェットティッシュと消毒液」
 こう野本に話す。
「よかったら使ってね」
「そうさせてもらうな。よし」
 まずは濡れたティッシュで傷口を拭いてそれから今度は消毒液をこれまた未晴が出して来た奇麗な布につけてそのうえで丹念に奇麗にする。実に細かい。

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