第百三十三話 亡命者達への余波
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の面倒くささは身を潜め意見を言ってしまう。
「それは些か、短急過ぎるかと、確かに帝国はサイオキシン麻薬検挙や今回の内乱で混乱はしたでしょうが、皇帝自身が最近政務に励んで次第に帝国内部の改革を進めている状態です。今なら混乱しているから弱いと言うのは危険ではないかと」
珍しいヤンの積極的な意見にシトレは何か悪い事を考えたかのような顔で頷きながら答える。
「そうだな、其処でヤン中佐には10月1日付けをもって宇宙艦隊総司令部へ作戦参謀として移動する事に成った。君の見識をもってグリーンヒル総参謀長と共に頑張ってもらいたい」
「私がですか?」
「ヤン、俺も宇宙艦隊後方参謀兼任だ、諦めるんだな」
「今は、国力の回復の時期だ、敵が攻めてこないならその間にするべきだからな」
ヤンは頭を掻きながら、しょうがなく返答をした。
「判りました。微力を尽くします」
「頼んだぞ」
翌月からヤンの宇宙艦隊総司令部勤務が始まるが、ロボス派からはシトレのスパイと嫌悪される為に、グリーンヒル総参謀長付きになるのであった。
宇宙暦792年9月12日
■自由惑星同盟首都星ハイネセン最高評議会ビル
最高評議会では、今回の帝国発表に対する会議が行われていた。
「えー、今回の帝国の発表においてですが、各委員長の忌憚なき意見をお願いする」
評議会議長の言葉に各委員長が喧々諤々と話し始める。
「国防委員長、帝国の発表にあるようにリューネブルク大佐を偽装亡命させ暗殺を示唆した事は無いのかね?」
「統合作戦本部、宇宙艦隊総司令部共にその様な事は命じていないと言って居ますが」
「それは軍人の詭弁だろう。情報部とかがやっているのではないのかね?」
「それに、幾ら敵でも暗殺などしてはアンフェアーだ」
「マスコミには我々同盟政府軍は今回の件には何ら関与していないと発表すべきです」
各委員長達がそれぞれに暗殺の汚さを論う中、1人の女性委員長が反論を述べた。
「待って下さい、帝国は同盟を認めていません、そして悪魔のルドルフの子孫をリューネブルク大佐は倒したのです。国家同士の戦いなら暗殺はアンフェアーでしょうが、此は生存競争なのです。生存競争は弱肉強食です、皇太子は弱いからリューネブルク大佐に倒されたのです。それだけでも彼は英雄です。私は彼を称えるべきだと思います。そうすれば亡命者の士気も上がるでしょう」
女性的な感性からその委員長はそう言ったのであるが、説得力のあることだったため、各委員長も考えさせられることと成った。
宇宙暦792年9月12日
■自由惑星同盟首都星ハイネセン ローゼンリッター連隊本部
ローゼンリッター連隊本部では、相変わらず連隊長ヴァーンシャッフェ大佐が苦虫を噛み潰したようなッ
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