無印編:トークルームY
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」
「…ううん…少なかったけど…親切にしてくれた人もいた…」
「なら、気にすることはないよ。その子とも、普通に接してあげればいいさ」
「GV、ですがシアンは…」
「分かってるよテーラ…本当は正体を隠すためにも、皇神と距離を置くことが正しいのかもしれない。けれど、そうしたことを気にして友人を作れない生活というものを…僕は、シアンに味わって欲しくはないんだ。兄さんみたいにシアンが馴れ合いを好まないなら話は別なんだけどね…」
「もし学校でそいつと何かあったら俺達に即刻話せ…愚痴くらいは聞いてやる」
「…ありがとう……」
そうですね…せめて今くらいは…。
《約束》
夜もすっかり更けた頃、先に眠っていたはずのシアンがテーラを伴って僕達の元にやって来た。
「…GV…お兄さん…」
「どうしたの?こんな夜遅くに…」
「夢を…怖い夢を…見たの。みんなが…その…私の傍からいなくなって…」
いなくなる…つまり、僕達が死ぬ夢…だったんだろう。
こんな仕事をして、テーラもフェザーに似た組織に所属しているのだからいつ命を落としても不思議ではない…。
もう少しこの生活が落ち着いてから言おうと思っていたけど…以前から考えていたことを、告げてみようと思った。
「シアン…もう少ししたら、長い休みを取って、みんなでどこか出かけよう」
「でも…お仕事は?それに、私達…」
追われている…と言いかけたのであろうその口に人差し指を当てて制止する。
「僕達は自由だ。誰にもその自由を邪魔する権限はない…難しいかもしれないけど旅行プランを考えるつもりだったんだ。」
「まあ、お前が嫌なら止めるがな」
「ううん!行きたい!!テーラちゃんも一緒に行こうよ!!」
「え?私もですか?」
「駄目?」
「あの…私は…」
「駄目だよシアン。テーラはすることが終わったら彼女の所属する組織に帰らないといけない…」
「そっか…」
「……いえ、行きましょう…私達…4人で…」
「本当!?ありがとうテーラちゃん!!」
満面の笑顔を浮かべるシアンに対して、どこか迷っているようなテーラの表情がどこか僕達には引っ掛かった。
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