無印編:トークルームX
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《プレゼント》
「おい、テーラ。手を出せ」
「はい?」
兄さんが手渡したのはミッションの最中で見かける宝石と髪飾りの紅いリボンだった。
「日頃の礼だ。受け取ってくれ」
「良いのですか?」
「でないと悩んで選んだ意味が無くなるからな」
「ありがとうございます…あ、少し待って下さい…どうですか?」
テーラは早速リボンを髪に結ぶと兄さんに見せる。
彼女の金髪に紅いリボンはとても良く似合っていた。
「ああ、似合ってるぞ…」
「うん、テーラちゃん!凄く可愛い!」
「とても似合っているよ」
「ありがとうございます」
僕達からの言葉にテーラは嬉しそうに微笑んでいたのがとても印象的だった。
《伝説のロックスター》
シアンがヘッドフォンを耳にかけ、体を揺らしていた。
どうやらかなり熱中して聴いているようだ。
「あっ、ごめんなさい…歌を聴いていたの…」
「凄く集中して聴いていたみたいだけど何の歌?」
「アオイって…分かる?」
アオイ……僕らが生まれるより前に大ブレイクした女性ロックスターだ。
「クラスで話題が出てね…久しぶりに聴きたくなっちゃって…やっぱり、伝説のロックスターは凄いね…聴き入っちゃった」
「モルフォの歌も大したものだと思いますよシアン?」
テーラが紅茶とお菓子を持って来るとシアンに向かってそう言うが、シアンは首を横に振る。
「それはあくまで第七波動の…モルフォの歌だから…私自身が、喉を痛めて歌っているわけじゃない…アオイは自分の歌と演奏だけでこれだけ多くの人の心を掴めている…やっぱり凄いよ」
「シアン…」
「(やはりシアンはアイドルに未練があるようですね…自分の力で歌うと言うことは…不可能に近いことが残念でなりませんね…出来るなら生きている時くらいは思い切り歌わせてあげたいものですが…)」
《シアンのお料理》
夜遅くだというのに、キッチンから灯りが漏れていた。
気になって覗き込むと、シアンとテーラがキッチンに立っていた。
「シアン、このお料理はお醤油こさじ一杯とみりん少々です。」
「う、うん…でも少々ってどれくらい…?」
「それはですね…」
どうやらシアンはテーラに料理を習っているようだ。
本当はシアンの方がテーラより年上なんだけど、ああやってシアンに料理を教えているところを見ると姉のように見える。
「はい、これで大丈夫ですよ」
「ありがとうテーラちゃん」
「いえ、頑張って下さいねシアン」
微笑ましい光景に僕はそっと自分の部屋に戻ることにした。
《しめじ》
窓を開け、夜風に当たっていると一羽の
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