序章
プロローグ
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でした!」」
空腹を満たした2人は、先程とは打って変わって元気良く返事をした。
「うふふ、お粗末様でした」
「これだけ元気が出れば大丈夫だろ。では、改めて聞こう。君達は、こんな時間帯に何をしていたのかな?」
「迷子に成ったのなら、私達がお家まで送ってあげるわよ?」
深雪と呼ばれる女性は、2人と目線を合わせる様に屈みながら笑顔で言うと、先程まで笑顔を見せていた2人の表情が一変し、暗い表情に変わった。
「家には………」
「帰りたくない………」
「「その為に、僕達は……………」」
涙を堪えながら2人の幼い少年は言葉を発した。
その言葉で全てを察した男性と深雪と呼ばれる女性。
深雪と呼ばれる女性は、2人を抱き締めていた。
「本当に辛かったのでしょうね………。けれど、何故家出をしたのか理由を話してくれないかしら?」
優しく2人の頭を撫でながら理由を聞き出す深雪と呼ばれる女性の言葉に心を許した2人は、其々家出をした理由を口にする。
その理由を聞いた男性は瞼を閉じ、何かを考える様に立ちつくし。
深雪と呼ばれる女性は、涙を流しながら更に強く2人を抱き締めていた。
「なんて酷い………血縁者で在りながら、こんな幼い子供達を蔑ろにするなんて………貴方」
「お前の言いたい事は理解している。どうだろう一夏君、弾君。君達が良ければ私達の家族に成らないか?」
「「えっ!?」」
男性が放った一言に、2人は驚きを隠せなかった。
「まぁ、その前に自己紹介しよう。俺の名前は司波達也。F.L.T社の副社長兼開発エンジニアをしている」
「私の名前は司波深雪。妻で同じ会社の社長をしているの」
「それで、私達の家族に成る気は在るかな?」
無表情だった表情から一変して、優しく微笑みながら両手を2人に向けて差し出す司波達也と呼ばれる男性に、一夏は右手を弾は左手を躊躇無く掴み力強く答えた。
「「はい!俺は、貴方達の家族に成りたいです!」」
その言葉を聞いた司波深雪は2人を優しく抱き締めた、
「さぁ、一先ずは私達の家へ帰りましょう」
そう言って司波深雪は2人の手を繋ぐと、ゆっくりと歩きだし、一夏と弾もその優しく温かい手を握り締めながら一緒に歩き出す。
その光景に司波達也は、2人が持っていた荷物を拾い上げて、3人の後に続いて行くのだった。
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