暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica54俺が選ぶ道〜Occurrence in a Time limit〜
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ん、コレ・・・」

トーマが足元に隣に置いていたリュックを漁りだし、ビニール袋の口にリボンが結ばれている物を取り出した。中身は「クッキー?」のようで、10枚以上入っている。

「俺が世話になってる養護施設で、子供たちと一緒に焼いてみたんす。あんま豪華なお土産は買えないって思って・・・。ので、良かったらどうぞ!」

「俺のためにわざわざ? いやありがとう、嬉しいよ! シャマル。俺の茶菓子は要らないから用意しないでくれ」

「はーい♪」

「なんかごめんなさい。手作りなんて・・・」

何故かそんな理由で謝るトーマ。だから「俺のための作ってくれたんだろ? ならそれは、どんな高価な物より価値があり、嬉しいものだよ」と、トーマの頭をわしゃわしゃ撫でてやる。すると不安そうだった顔が晴れやかになり、「は、はい!」嬉しそうに笑ってくれた。

「良かったね、トーマ♪」

「ね? ルシルさんは好い人なんだから、手作りでも喜んでくれるって言ったでしょ?」

「うん!」

「友人からの贈り物は嬉しいよ」

出来は確かに不恰好だが、それ以上に心に来る嬉しさ。それが数少ない男友達からというのがさらに嬉しい。そういうわけで“友人”と称したんだが、トーマが「友人? 俺と、ルシルさんがですか?」不思議そうに呆けた。

「いやか?」

「いえそんな! 逆に俺でいいんですか!? 俺、ルシルさんに何も出来ませんよ?」

「待て待て。友人ってそんな打算的なものじゃないだろ。それこそ年の差だって関係ない」

男友達と言ったらユーノとクロノを筆頭に、指で数えるくらいしかいない。あとは知り合いとか同僚とか。ドクターが生きていれば、おそらく友人になれたかもしれないな。

「なになに? なんの話してるの?」

シャマルにお茶の用意を任せたアイリがソファの背もたれを飛び越え、俺の左隣にドサッと座った。俺は「はしたない。見えてたぞ」アイリの頭を軽く小突く。ミニスカートだったため、ピンク色の下着が見えていて、トーマが真っ赤にした顔を背けている。

「ごめーん。トーマも、お見苦しいもの見せちゃったね〜」

「気にしてないから! あっ、見てません! 見えてません!」

「あはは! トーマ必死すぎ♪」

トーマのリアクションにスバルは笑顔、ギンガは苦笑、アイリはいたずらっ子のように含み笑い。女の子に挟まれてからかわれるトーマには親近感が湧く。そんなトーマと俺は友人だ、という話をしていたとアイリに伝えると、「良かったね♪ ルシル、男の友達少ないから」と言って笑った。事実なだけに文句は言えない。

「えっと、俺うれしいっす。ルシルさんみたいなすごい人と友達になれるなんて」

「じゃあさ、連絡先の交換とかしておけば? トーマ、ナカジマ家
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