無印編:トークルームW
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たからな…確かに…モルフォと比べてシアンは外見も中身もガキだな…最近は本当にテーラより年上なのかも疑わしくなってきたからな…」
「ひ、酷いよお兄さん!!でも…言い返せないぃ…」
11歳と言う年齢であるにも関わらずに落ち着いており、おまけに博識でシアンよりも遥かに運動出来るテーラと自分を比べたのか…シアンは肩を落とした。
《ロボットの悲しき恋》
「くすん…」
学校で借りてきたという本を読んでいたシアンが突然、涙を滲ませ始めました。
「…大丈夫ですか?」
私が差し出したハンカチをシアンが受け取って涙を拭きます。
「…うん…この本が…悲しいお話で…パン職人のロボットが…人間の女の人と恋に落ちるんだけど…女の人…死んで…ぐすっ…」
シアンの目元に、再び涙が溜まっていきます。
元アーティストだけあって感受性が豊かなのでしょう。
しかし私も似たような経験があります。
本屋に立ち寄った際に見つけた2つの組織に所属するロボットの男女の悲しき愛の話です。
ロボットの女性はロボットだけの世界でロボットの男性と暮らすことを望んでいましたが、ロボットの男性はロボットだけの世界を幻と断じて、最後の最後まで想いが重ならずに終わってしまった悲しき愛のお話です。
…これを読んだ時、私は何故か他人事とは思えませんでした。
「…その本、今度私にも読ませてくれませんか?シアンにも読んでもらいたい本があるんです」
「うん…」
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