無印編:トークルームW
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かし夢中になっていたからか、シアンが覗いていることに気付けませんでした。
「あ…あわわ…」
《弟は兄の幸せを願う》
兄さんの部屋を覗いて顔を真っ赤にしているシアンの姿を不思議に思いながら僕もシアンの後ろから部屋を覗くと、兄さんとテーラが抱き合っていた…。
「え…?兄さんと…テーラ?」
何で兄さんとテーラが抱き合っているんだろう…しかも何故か普段の2人とは少し雰囲気が違うような…。
いや…兄さんもそう言う関係の人がいてもおかしくない年齢なんだけど。
「G…GV…お兄さんとテーラちゃんが…」
同居人のこんなシーンを見てしまったシアンは真っ赤だ。
兄さんとテーラがどうしてああいう状態になったのか気になるけれど…。
「いや、駄目だ。いくら兄弟でも兄さんには兄さんの関係があるんだ。弟の僕でも深入りしてはいけない…シアン…行こう…」
「も、もう少し…」
「良いから…!!」
もし、兄さんとテーラがそう言う関係になるなら…応援した方が良いのかな…僕は…?
《シアンは運動が苦手》
俺がリビングでコーヒーを啜っていると、シアンが溜め息を吐いた。
「はぁ…」
「どうした?溜め息を吐いて?」
「あのね、お兄さん。明日は学校で体育の授業があるの…」
「なるほどな、運動能力が壊滅的なお前からすれば嫌な時間と言うわけか」
俺とGVに助けられるまでシアンは電子の謡精の本体として幽閉状態だったので運動が苦手なのも仕方のない話だろう。
「お兄さんやGVは運動…勿論得意だよね。でも…お兄さんもGVだってすっごく努力したんだろうし。私も、頑張らなきゃ…」
確かに、戦うための訓練は死に物狂いで重ねてきたが、俺達の場合は雷撃の第七波動による身体能力の強化もあってのものというのは、黙っておいた方がいいかも知れないな。
羨ましがられても困るし、シアンにとっては足りない知識と運動能力を得るためには必要なことだとは思うしな。
やる気を持たせるのも大切だろう…まあ、本人のやる気がどこまで続くかは分からないが。
《シアンとモルフォ》
「そう言えば前にあの馬鹿が…」
「馬鹿って…ジーノさん?」
「ああ…あいつは確か、モルフォのファンだと言っていてな」
『フフ…嬉しいわね 今度サインでもしてあげようかしら?』
モルフォが現れる。
何時も通り、神出鬼没だ。
確か…あの馬鹿はモルフォの大人っぽいところが好きだと言っていたな…。
ふむ…改めてモルフォとシアン、2人を見比べる。
「え?何…そんなに見つめて…は…恥ずかしいよ…お兄さん…」
「いや、あいつはモルフォの大人らしいところが良いと言ってい
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