無印編:トークルームW
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者だけとなったら…どうなると思います?」
無能力者への憎しみを持っているテーラからの質問に僕は悩んだものの、答えるために口を開いた。
「…多分、厳しいと思うよ?僕達能力者の歴史は…無能力者に比べて遥かに短い。長い時間をかけて彼らが培ってきた物を全て吸収するのは不可能に近いと思う。」
「……(ですが、可能性が全くないと言う訳でもありません。私は能力者の楽園を…)」
僕はテーラが拳を握り締めて俯いている姿に何も言えなかった。
《能力者の楽園》
私はソウと2人になった時、思い切って聞いて見ることにしました。
「ソウは能力者だけの楽園は可能だと思いますか?」
「楽園?…それがお前の所属している組織の目的か?」
「はい、無能力者を殲滅して能力者だけの世界を創る…それが私の所属する組織の目的です」
「…無能力者がいなくなるのなら個人的に清々するがな。でもそれは現実的に厳しいだろう。」
「…無能力者の歴史…ですか?」
「そうだ。悔しいが、俺達と比べて無能力者の歴史は長い。だから奴らの全てを奪って能力者の物にするには相当の時間が必要になる。加えて能力者の環境は最悪に近いからな…まともに知識を得る環境があるのかどうかも疑問だ」
「そう…ですか…」
楽園の可能性をソウにまで難しいと言われた私は悲しくなりました…。
「無能力者にも一応認めてやらなくもない奴もいるからな…シープス3とかな…無能力者だが、ナビゲートやお前達とのことで色々世話になってるから借りは何時か返さなければならんだろう。借りを返すのは人として最低限のルールだからな…俺は皇神の屑共のように利用するだけして捨てるような奴にはなりたくはない」
「(全ての無能力者がモニカさんのような者達ばかりなら私達は虐げられずに済んだのに……でも今更ですね…無能力者と能力者が手を取り合う時期は既に過ぎているのですから…ごく一部の無能力者のために能力者が虐げられたままでいいはずがないのですから)」
自分の理想の厳しさを改めて感じた私はソウの腕に縋るように抱き付きました。
「どうしたテーラ?」
突然の私の行動にソウは困惑したような顔をしていました。
「ソウ…少しの間だけ…良いですか?」
「…好きにしろ」
私を振り払おうとしないので、私はソウの優しさに甘えることにしました。
「次は抱き締めて欲しいです…」
「………」
ソウは少し困った表情を浮かべた後に私を予想していたよりも優しく抱いてくれました。
一緒に暮らして分かったのですが、ソウは一度心を許した相手には甘いようです。
だから私の願いを聞いてくれると言うことは私もソウに受け入れてもらえているのだと理解しました。
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