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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第八話 幻夜
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か?

こんな時にタイミングが悪いとGVは思ったが、シアンを残して捜しに行くわけにはいかないのでソウとテーラの無事をシアンと共に祈るしかない。

そして飛び出したソウが辿り着いた場所は歓楽街であった。

『突然の頼みでごめんなさい…あなたに頼みたいのはその近くの歓楽街に逃げこんだターゲットの捜索…ターゲットは、あのジーノを負傷させた強力な能力者よ。くれぐれも気をつけてね…ターゲットの名前はパンテーラ。能力者狩り部隊を率いる部隊長…私達との戦闘から逃れて、どうもその辺りのビルの屋上を転々としているようね…パンテーラの指揮する部隊も動き出しているわ。くれぐれも気をつけて』

「あの馬鹿を負傷させる程の相手か…」

性格は合わないが、ソウはジーノの実力だけは認めているのでジーノを負傷させるような相手に警戒心を強める。

そしてビルの上を飛び移っていく。

『その高さから落ちれば、いくらあなたでも無事では済まないわ。落ちないように気をつけて』

「何のための雷撃鱗のホバリングとマッハダッシュだ」

マッハダッシュとホバリングを駆使して安全に移動していくソウ。

歓楽街。

眠らない不夜の街…深夜にも関わらず、ネオンに照らされた街並みは、夜の闇の深さを感じさせない。

ビルの上からでも、この街の喧騒は伝わってくる。

皇神は…一般人がごく普通に生活していても武装部隊を展開するのはいくらでも、揉み消せる自信があるからだろうか…。

「皇神の連中らしいと言えばらしいがな」

しばらく進むと爆撃マシンの姿が見える。

『皇神の自律型爆撃マシンね…爆撃は雷撃鱗を張っていれば防げるわ。EPエネルギーの残量には充分に気をつけてね』

「そんなことは言われなくても分かっている。アシモフから嫌と言う程に聞かされているからな」

『えっ!?あの…別に、真似とかじゃないのよ…?ただ、…あの…あの人は私の憧れだから…その…し…自然と似ちゃうというか…何と言うか…』

「アシモフの名前くらいで何を慌てているんだ。自分の仕事に集中しろ、お前もあの馬鹿に偉そうに言えないだろうが」

『う…っ…か、返す言葉もないわ…』

ソウの言葉に呻くモニカ。

立ちはだかる皇神兵とロボットを返り討ちにしながら先に進んでいくソウだが、そう言えばまだ能力者の詳細を聞いていなかったとモニカを尋ねる。

「おいシープス3。ターゲットはどんな能力者だ?」

『かなりの実力者よ…詳細は分からないんだけど…幻惑系の能力を使うようね。性別は不明…』

「はあ?」

モニカの言葉を理解出来なかったソウは珍しく間の抜けた声を出す。

『それが…男だったり女だったりその日によって違うんだとか…恐らくそれも、幻惑の一部なんだ
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