無印編:トークルームV
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けのただの湯だ」
「え?」
僕達が言えなかったことを兄さんはあっさりと言い放った。
「ソウ…シアンなりに頑張ったのですから少しくらい…」
「駄目だ、おいシアン。コーヒーの淹れ方を教えてやるから来い…念のため紅茶も教えてやる…薄いものばかり出されてはたまらんからな」
テーラがシアンを擁護するが、兄さんは構わずにシアンを連れてキッチンに向かった。
「兄さん…」
「ソウなりにシアンを思ってのことなんでしょうけどね…」
シアンの境遇を考えると厳しく接することが出来ない僕には出来ないことだ。
敢えて厳しく接することも彼女のためなのかもしれない。
《シアンの日記》
「…?これは…誰のノートでしょう?」
ソファの下に小さなノートが落ちているのを見つけました。
このノートはGVの物にしては可愛らしいので、シアンのノートでしょうね…落としたんでしょうか?
悪いとは思いましたが、シアンの物かを確かめるために中身を確認することにしました。
勿論、じっくり読むわけにはいかないので適当にページをパラパラと捲るだけです。
『今日GVが──』
『お兄さんが私に──』
『テーラちゃんと──』
シアンの日記…のようですけど…私とソウのこと…特にGVのことばかり書いてありますね。
やはりシアンはGVを…。
「あっ!」
背後からシアンの声が聞こえたので振り返ると案の定、シアンが立っていました。
「みっ…見ちゃ駄目!!」
私の手から勢いよくノートを奪い取るシアン。
「やはり、シアンのノートでしたか……大丈夫です。見てはいません」
本当は少し見てしまいましたが、内容を理解する程には読み込んではいないので、見ていない…と言っても差し支えはないでしょう…多分。
「そ…それならいいんだけど…」
少し…悪いことをしてしまいましたね。
《にゃーんにゃん♪》
「にゃーんにゃん♪」
…今、見てはいけないものが見えたような…。
僕の隣で見ている兄さんも不気味な物を見るような表情を浮かべていて、テーラも表情が微妙に引き攣っている…。
「にゃーん♪」
見間違いじゃない…。
シアンがにゃんにゃん言っている…。
にゃんにゃん言いながら、猫耳と尻尾をつけて踊っている…。
「何をしているんだお前は…?」
「悩みがあったら相談に乗りますけど…」
「…何か…嫌なことでもあった…?」
「G…GVっ!!?…それにお兄さんやテーラちゃんまで…あ痛っ!!」
シアンがその場に倒れこんだ。
どうやら足が縺れたようだ…。
「…ハッ!ち…違うの! こっこれは…友達がっ!劇ぎ
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