無印編:トークルームV
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のが現時点では料理経験が殆どない奴だからな」
「料理を1人でしようなんて無謀ですからやる時は私達の誰かを頼って下さい。貴重な食材を失うわけにはいきませんから」
「う…は、はあい…」
兄さんとテーラの言葉に項垂れるシアン。
これなら料理をする時も大丈夫かもしれない。
「それで?お前も食べるのか?」
「お兄さんの作るどら焼き食べたい」
本当にシアンは和菓子が好きなんだな…
《かっぷらーめん》
「GVとお兄さんとテーラちゃんは、"かっぷらーめん"って知ってた?」
「「え?」」
「何?カップ麺だと?」
リビングで寛いでいると、シアンの突然の言葉に僕達は思わず顔を見合わせた。
「…まあ、食事を作る時間が無いか…後は小腹が空いた時に食べることはあるな」
「私はカップラーメンは食べたことはありませんが、見たことはありますよ」
シアンは長い間皇神に囚われていたせいもあって…時折こういった世間知らずなところを見せることがあった…。
似たような境遇の僕も、あまり彼女のことは言えないのだけど…。
けど、それにしたって皇神に居た時もTVなんかは見ていたようだし…カップ麺くらい、知らないものなんだろうか…。
「うん、僕もミッション前に食べることもあるかな…」
「本当にあるんだ…今度食べてみたいな」
「…明日にでも買ってくるよ」
「本当!?約束だからね!」
ぐいっとシアンが身を乗り出す。
…物凄くテンションが上がっている…ちょっと不憫だ…。
「となると……誰でも食べられそうな醤油ラーメン辺りが良いかもしれないな」
兄さんが無難な意見を出してくれた。
「醤油ラーメン…ですか…」
「テーラ、食べたいなら買ってやる」
「お願いします」
明日の昼食はカップ麺になりそうだ…。
《正しい淹れ方》
「あの…みんな…」
シアンが何やら僕達に言いたそうにこちらを見つめている。
「いつもお疲れ様…コーヒー、淹れてみたの」
目をテーブルの方に向けるシアン。
なるほど…テーブルの上にはコーヒーカップが3つ置いてあった。
「ありがとう…頂くよ」
「ありがとうございます…では」
カップを取り、僕達は一口啜る。
「…………」
薄い…。
それは僅かにコーヒーの風味がついたただのお湯と呼んで差し支えのない代物だった。
テーラの方を見るとどうやら彼女も同じ感想を抱いたようで微妙な表情を浮かべていた。
「あれ…もしかしてGVとテーラちゃん。コーヒー苦手だった?じゃあ、次からは紅茶にするね…」
「違う、薄すぎるぞ。これではコーヒーの風味がついているだ
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