無印編:トークルームV
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《宝石を少女に》
「お前にくれてやる」
唐突に兄さんがテーラに小さな宝石を渡した。
あれは僕がミッション中に拾ってシアンにプレゼントした宝石と同じ物のようだ。
「え?」
「ミッション中に拾った物だ。お前にくれてやる。男の俺が宝石など持っていても意味がないからな」
テーラが渡された宝石を見つめながら驚く中、僕も兄さんの行動に驚いた。
あの兄さんが誰かにプレゼントするなんて…。
「本当に貰っていいのですか?」
「要らんのならさっさと捨てろ」
兄さんの言葉にテーラは微笑みを浮かべた。
「いいえ、ありがとうございます。ソウ…とても嬉しいです…」
「良かったねテーラちゃん」
「本当に驚いたな…兄さんが誰かにプレゼントするなんて…」
このことをジーノやモニカさんに言っても絶対に信じないだろうな…。
《雷霆兄弟のコンタクト等》
「GVとお兄さんってコンタクトしてるけど…視力、2人共悪いの?」
「兄さんは僕と違って視力は良いよ…僕と兄さんがつけてるコンタクトは特殊な物で、第七波動を高める効果があるんだ」
詳しい原理は知らないが、第七波動と能力者の精神状態は密接に関係している。
このコンタクトは着用者の視覚情報に特殊なパターンのバイアスをかけることで無意識レベルの軽度な精神的負荷をかけ、第七波動に影響を及ぼすものなんだとか。
「学校では、軽い変装の意味も兼ねて眼鏡にしているんだけどね」
「GVは眼鏡より、コンタクトの方が似合うと思うよ…あ、でもお兄さんの眼鏡姿は見てみたいかも」
「…あまり僕と変わらないんじゃないかな?」
僕と兄さんは顔立ちは似てるって良く言われているし…まあ、何の理由もなく兄さんは眼鏡はかけないだろう。
《避雷針は髪の毛針》
リビングで寛いでいたシアンとテーラの視線が僕と兄さんに注がれていることに気付いた。
正確には僕と兄さんがメンテナンスしている物にだろう。
電磁加速銃“ダートリーダー”。
細部に違いはあるが、どちらもフェザーで開発された僕と兄さんの専用の銃。
替えのストックはあるものの、特注品のため、その数は決して多くない。
だから、銃のメンテナンスは僕達兄弟にとって欠かせない日課だった。
「その銃って、弾丸じゃなくって針みたいな物を撃つんだよね?」
「ああ…“避雷針”だね。避雷針は、僕と兄さんの髪の毛を電気伝導率の高い特殊な金属でコーティングした物なんだ。」
「…弾芯が髪の毛なのですか?」
「ああ、俺達の体の一部だからこそ俺達の雷撃が的確にこの避雷針に流れ込むらしい。ただし、俺達では避雷針の用途が違うがな」
「確か、GVは雷
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