無印編:トークルームU
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は?」
「状況にもよりますが、現時点ではないと断言出来ます」
「そうか…ならいい」
取り敢えずの確認を終えた俺はテーラを連れて家路につく。
「良いのですか?私を連れて行っても?」
「別に?お前が俺達と敵対する意思がないのなら戦っても時間と体力の無駄だ。それにもし戦うことになっても倒せばいいだけの話だからな」
「そうですか、少し…ホッとしました…あなた方との暮らしは…とても楽しいと思ってましたから」
そう言うテーラの表情はどこか安堵しているように見え、少なくとも彼女から今の関係を崩したいとは思っていないのだろう。
なら今はこれでいいと、俺は柄にもなくそう思った。
《シアンの学校》
リビングを覗くと、シアンが通学カバンにソーイングセットを詰め込んでいた。
「それ、明日の用意?」
「あ、GV…明日、被服の授業なの」
アシモフ達の協力もあって、僕もシアンも昼間は中学校へ通っている。
勿論、戸籍は偽造したものを使用しているのだが、どうやら皇神の中でもモルフォの正体を知る者はごく僅かなようだ。
仲間達によれば、正体が明るみになる心配はまずない…とのことだった。
「学校は…楽しい?」
「うん。この間、音楽の先生が歌が上手いって褒めてくれたの」
「「それはそうだろう(でしょう)」」
照れ臭そうに答えるシアンに声を揃えて言う兄さんとテーラ。
兄さんから聞いた話では彼女はフェザーとは違う皇神に敵対する組織の人間らしく、皇神へのスパイをしているらしい。
シアンのこともスパイ活動中に知っていたらしく、能力のことも知っていたらしい。
それにしてもテーラがスパイとは…道理で年の割に冷静なわけだ。
かつてアイドルとして歌っていたのは彼女本人ではなくモルフォだが、その力の源である彼女の潜在的な音楽センスは高いのだろう。
「…先生も、まさかシアンが元トップアイドルだとは思っていないだろうね…」
「ア…アイドルだったのはあくまでモルフォだから…」
「モルフォの力はあなたの力でもあるのですから誇ってもいいと思いますけど」
苦笑しながら言うテーラの言葉に、僕も少しだけ頷いた。
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