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蒼と紅の雷霆
無印編:トークルームU
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気にすることじゃないよ…」

「うん…」

シアンの表情は暗い。

けれど僕は、それ以上何も言うことが出来なかった。


《モルフォの歌と雷霆兄弟への感謝》


モルフォはこれまでに様々な曲をリリースしている…。

かつての彼女の歌は、他の第七波動能力者を炙り出すための罠として使われていたが…。

その効果があるのは皇神が然るべき手段を用いて行う生放送だけだ。

既に録音されたものを聴くだけであれば、特に害はないそうだ。 

「モルフォの歌って…全部シアンが作ったの?」

「最初のうちはそうだったけど…途中からは皇神の人が作った歌…」

「なるほどな、シアンが作るよりも自分達で作った方が時間がかからないからな。」

シアンは歌が好きだから作曲の際に妥協はしないだろうけど、時間をかけたくない皇神の人間からすれば自分達で作った方が手っ取り早いのだろう。

『そして、今こっそりGVとソウのために作っている歌が、久しぶりの作曲ってわけね』

何時の間にか、モルフォが僕と兄さんの間に立っていた。

シアンが真っ赤になって慌てる。

「モ、モルフォ!な…何でバラすの!?」

『アタシはシアンの心…あなたの本心だもの。自分の頑張りをGVとソウに知ってもらいたかったのよね…本当は』

「そ…そんなことないよっ!!」

「…大変だね」

「まあ、お前の歌だが期待しないで待っているとしよう。そろそろ食事にするぞ」

兄さんがキッチンに向かい、調理を始めた。

兄さんには歌よりも食べ物の方が喜ぶんじゃないかなと思った僕は悪くないと思いたい。


《ソウとテーラ》


俺達は買い出しの途中で路地裏に行き、休憩を取っていた。

普通なら公園だろうが、俺達は無能力者との接触は嫌うために路地裏で休憩を取ることが多い。

「テーラ…聞きたいことがある」

「何でしょう?」

俺を見上げるテーラに俺は珍しく戸惑いを感じながら尋ねる。

「お前はどこの組織の人間だ?」

俺の問いにテーラは目を見開いた。

「何のことでしょうか?」

「惚けるな…お前の動きは明らかに一般人がするような身のこなしじゃない。俺とGVの特訓を見る時も明らかに俺達の動きについてきていた。」

GVは基本的に家の中でしかテーラと会わないから気付きにくいのかもしれないが、俺はテーラと共に行動することが多いために気付けた。

「ふふ、ソウは良く見ているのですね。それで私をどうしますか?」

「取り敢えずお前の目的を話せ。簡単なことでも、それで決める」

「目的…そうですね…取り敢えず現時点の目的は、あなた方と同じ皇神の打倒…でしょうか?」

「そうか、俺達と敵対する意思
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