無印編:トークルームT
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んだけど…まぁいいか…今度買っておこう。
そう思っていたら買い出しに出ていた兄さんが帰ってきた。
「おい、今日は菓子が安かったからお前らの分も買って来たぞ。食べろ」
「わあ、ありがとうお兄さん!!」
「お心遣い感謝します」
袋に入れてあるのは和洋の様々な種類のお菓子だ。
「兄さん…」
「お前もさっさと食べてしまえ」
「うん」
兄さんは何だかんだで本当にこういう気遣いが上手い…僕には出来ないことだ。
「でも基本的に手作りの兄さんが既製品を買うなんて珍しいね」
「洋菓子はともかく和菓子など作れないからな」
確かに洋菓子に比べて和菓子はかなり難しい印象があるし、兄さんも僕もミッションがあるから和菓子に挑戦する余裕はない。
「やっぱり羊羮は美味しい」
「此方のタルトも中々ですよ。まあ、アスロックの手作りに比べれば大分劣りますけど」
「アスロック?」
「あ…私の知り合いで菓子職人を目指していた方でした。ですが、無能力者の迫害で夢を…すみません」
テーラはハッとなって話を切り上げるが、アスロックと言う人物は無能力者からの迫害によって夢を諦めざるを得ない状況に追い込まれてしまったことは僕達も理解出来た。
「ふん、何処の国でも無能力者共は変わらないようだな」
「兄さん…」
「事実だろう、基本的に無能力者は自分とは違う存在を受け入れはしない…そうでなければフェザーのような組織など存在していない…この話は止めるぞ。空気が悪くなる」
兄さんは強制的に話を切り上げて黙々と食べる。
僕は食べている焼き菓子の味が良く分からなくなった。
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