無印編:トークルームT
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られて眼力か玩具の銃らしき物で気絶させていた事件が実際に発生していたらしいぞ。以前潜入ミッションで皇神のこの国で起きた事件を纏めたデータベースで見たことがある」
もし兄さんの言っていることが本当なのだとしたら、昔のこの国はどれだけ恐ろしい国だったんだろうか…。
「残念ですね、私は愛を探究する者として是非ともその事件を見てみたかったです。どのような障害があろうとも乗り越える真実の愛、そしてその絶技を」
取り敢えず事件当時にいなくて良かったと僕は心からそう思った。
《シアンとサイン》
「…あら?」
この家の今日の掃除当番である私が何気なく取ったチラシの裏に奇妙な紋様が描かれていました。
「…あーっ!!」
突如現れたシアンが、顔を真っ赤にして私の手からチラシを奪い取り…くしゃくしゃと丸め、握り潰しました。
「…まさかそれはシアンが書いたのですか?」
「ちちち…違うのテーラちゃん!これは…その…」
チラシに何が描かれていたのかは理解出来ませんでしたが…どうやら、彼女にとって見られたくない物だったようですね。
「気にしなくていいから!!」
彼女にしては珍しい、激しい剣幕で私に言い残すと彼女は自分の部屋へ戻っていき、私は何気なくゴミ箱に視線を移すと丸められたチラシがありました。
開くと、そこには先ほどと同じような紋様が描かれて…いえ、これはよくよく見ればそれは紋様ではなく、かなり崩した筆記体であることが分かります。
C…Y…A…N…シアン…?
Nに続く文字は…文字ではありませんね。
これは彼女の第七波動の蝶(モルフォ)をイメージした記号(イラスト)でしょうか?
「サインの練習…ですか…彼女は皇神の傀儡にされていたとしても歌うこと自体は好きだったようですし、もしかしたらアイドルに未練があるのかもしれませんね…」
私達エデンの目的達成のためには電子の謡精の力が必要不可欠なので、彼女が生きているのはこちらとしては少々不都合…なのですが…。
「せめて生きている時くらい思いっきり歌わせてあげたいものですね」
私はチラシをゴミ箱の中身と一緒にゴミ袋に入れると掃除を再開しました。
《シアンとテーラの好き嫌い》
「そういえばシアン、テーラ…2人にまだ聞いたことなかったけど食べ物の好き嫌いってある?」
「好き嫌い?うーん…辛いものは苦手かも…和菓子は好き…かな。羊羮とか、きんつばとか」
「私は基本的に食べられない物はありませんし、好き嫌いなんて出来ませんでしたから…あ、でもお菓子は好きですよ。タルトやフィナンシェとか」
「シアンは和菓子…テーラは洋菓子か」
見事に真逆だ。
明日の献立の参考にしようと思った
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