蒼紅:第三話 少女
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GVとソウがシアンを連れて向かったのはこの国で生活するためにフェザーによって手配された2人の隠れ家であった。
「ここがGVとGVのお兄さんのお家なの?」
「少し違うけど…間違ってもいないかな?ここは僕が学校に通うための仮の家なんだ。」
フェザーに所属していたとは言え、GVとソウはまだ未成年でせめてミッションがない時は学校で学べる機会を向こうが設けてくれたのだ。
とは言っても学校に通っているのはGVだけだが。
「取り敢えずフェザーを抜けたが、これからどうするんだGV?」
フェザーから抜けたことで安定した収入は手に入らなくなった。
今は今までの稼ぎがあるのでしばらくは問題ないが、何もしなければ困窮してしまう。
「そうだね、フリーの傭兵…何でも屋なら仕事が入りそうだし、しばらくはそれで行ってみよう」
それはGVも考えており、しばらくは何でも屋をやっていくことにした。
「取り敢えず食事にするぞ、おい…シアンだったか?…さっさと入れ」
「あ、うん…」
無愛想に言いながら隠れ家の中に入っていくソウに素直に頷くシアン。
「ごめんね、シアン…兄さんは少し口は悪くて無愛想かもしれないけど…」
これから共に暮らすのだから仲良くはして欲しいGVはシアンに出来るだけ説明しようとするがシアンは笑いながら首を振る。
「大丈夫、GVのお兄さんが優しい人なのは何となく分かってるよ」
「?」
何故会って間もない兄のことが分かるのか…GVはシアンの言葉に疑問符を浮かべる。
『アタシの力は精神感応能力。その為か、たまに感じ取っちゃうのよね。そういう…感情の流れ…オーラみたいな物を…GVのお兄さんの…ソウだったかしら?表面上は無愛想でも、心の中には優しい…暖かい物を感じるわ』
「GVのお兄さんなんだもん…優しいに決まってるよ」
GVの疑問にモルフォが答えてくれた。
しかしシアンは能力など使わなくても弟のために脱退までしてくれたソウのことを優しい人なのだと理解したようだ。
兄を分かってくれた者がいるのはGVにとっては喜ばしいことだ。
何せ普段の冷たい態度とプライベートの集まりでも参加しないことが原因でソウのフェザーのメンバー達からの評判はあまり良いものではないからだ。
本人はフェザーのメンバーからの評判などどうでもいいのだろうが、GVにとってはあまり良い物ではない。
「とにかく今日は疲れたでしょ?簡単な夜食を用意するから寝よう。明日、モニカさん達に頼んでシアンに必要な物を用意してもらうから」
流石に女性用の物を男の自分達が用意するわけにはいかないので依頼と言う形でモニカ達に頼もう。
「うん、ありがとうGV」
2人も隠れ家の中に入ると、
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