蒼紅:第二話 謡精
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を変更。彼女を救出…」
『いや、変更はしない。その子を抹殺しろ。GV、ソウ』
「何?」
「アシモフ!?」
アシモフから返ってきた返事は非情なもので、ソウは不快そうに、GVは目を見開く。
『すぐに皇神の増援が来る。いくらソウがいるとは言え、君は罠かもしれない少女を抱えたまま戦うつもりか?仮に無事に済んだとして、その後はどうする?フェザーに…武装組織に彼女の居場所があるのか?』
アシモフの言っていることは正論だ。
高い戦闘力を誇る第七波動を持つソウとGVはフェザーに身を置くことが出来たが、彼女の第七波動は明らかに戦闘に向いていない。
そもそも拘束されていた人間にまともな運動能力があるのかどうかも疑問が残る。
GV達の会話を聞いてか、今まで黙っていた少女が口を開いた。
『…………それなら、私を…殺してください。もう、あの人達の為の歌は…皆を苦しめる歌は歌いたくない…だから…いっそ、私を殺してください』
その言葉がGVに決意をさせた。
「(…この子は……この子は、あの頃の僕と同じだ…兄さんに助けられてアシモフに居場所をもらったあの頃の……迷うことはない)簡単に命を投げ出すな!君が自由を望むのなら僕が翼を貸す。僕は君を助けたい…君の本当の願いは何?」
GVの言葉に少女は今まで抑え込んできた願いを吐き出した。
『私は……私は外の世界で、私の歌を歌いたい…!』
「OK、それが君の願いなんだね………アシモフ、僕はフェザーを抜ける。かつてあなたが僕に居場所をくれたように…今度は僕が彼女の翼になる」
「GV…」
「ごめん兄さん…でも僕は彼女を助けたい…昔、兄さんが皇神から僕を連れ出してくれたように…」
「仕方がないな、アシモフ。悪いが俺もフェザーを抜けるぞ…GVがフェザーを抜ける以上…俺もフェザーにいる理由はない。」
元々ソウがフェザーに入ったのは皇神への復讐もあるが、弟を守るためでもある。
その守る対象である弟がフェザーを抜けるなら自分がフェザーにいる理由はない。
『それがお前達の選んだ“自由”か…了解だ…組織に規律を乱す者達は不要。これよりコードネーム・GVとソウをフェザーから除名する』
『ちょっとちょっと、3人共!何を言っているの!?』
『そうだぜ!3人共!どうかしてるんじゃねぇか!?』
あまりのことにジーノとモニカも混乱しているようだが、GVは今まで世話になった2人に口を開いた。
「…いいんだ。モニカさん…ジーノも…今までありがとう」
『皇神の増援部隊は我々フェザーに任せてもらおう。今の君達は我々フェザーとは関係のない一般市民だ。戦いに巻き込むわけにはいかん…グッドラック』
「…ありがとう、アシモフ…」
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