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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第二話 謡精
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輌に侵入したが、そこには機械で繋がれ、狭い世界に押し込められて自由を奪われているたった1人の少女の姿があった。

「これは…!?」

「機械に繋がれた小さな娘…モルフォの正体は…まさか…」

『…あなた達…は…?…あなた達は…研究所の人じゃ…ないの?』

「…皇神の関係者ではないようだな。お前がターゲットの電子の謡精・モルフォなのか?」

その時、ソウとGVの前にモニターで見るモルフォの姿が現れた。

『アタシはこの子の想いが具現化した電子の謡精・モルフォという名の第七波動(幻)。あなた達、研究所の人間じゃないんでしょう?お願い…この子を…アタシをここから連れ出してくれないかしら?』

モルフォの表情には淡い期待が浮かんでおり、お人好しの部類に入るGVはモルフォに応えようとしてアシモフに通信を繋いだ。

「…っ、こちらGV。ターゲットと接触しました。再度、情報の修正を…電子の謡精はプログラムデータなんかじゃない…小さな女の子の第七波動です」

『何ですって…!!』

「後、こいつに敵対意思はない。皇神の屑共に拘束され、利用されているんだろう」

『皇神の奴ら…えげつねぇことしやがるぜ』

モニカとジーノがGVとソウからの情報に声を険しくする。

小さな少女を利用することに嫌悪感を抱いたのだろう。

「これよりミッション内容を変更。彼女を救出…」

『いや、変更はしない。その子を抹殺しろ。GV、ソウ』

「何だと?」

「アシモフ!?」

アシモフから返ってきた返事は非情なもので、ソウは不快そうに、GVは目を見開く。

『すぐに皇神の増援が来る。いくらソウがいるとは言え、君は罠かもしれない少女を抱えたまま戦うつもりか?仮に無事に済んだとして、その後はどうする?フェザーに…武装組織に彼女の居場所があるのか?』

アシモフの言っていることは正論だ。

高い戦闘力を誇る第七波動を持つソウとGVはフェザーに身を置くことが出来たが、彼女の第七波動は明らかに戦闘に向いていない。

そもそも拘束されていた人間にまともな運動能力があるのかどうかも疑問が残る。

GV達の会話を聞いてか、今まで黙っていた少女が口を開いた。

『…………それなら、私を…殺してください。もう、あの人達の為の歌は…皆を苦しめる歌は歌いたくない…だから…いっそ、私を殺してください』

少女のその言葉がGVに決意をさせた。

「(…この子は……この子は、あの頃の僕と同じだ…兄さんに助けられてアシモフに居場所をもらったあの頃の……迷うことはない)簡単に命を投げ出すな!君が自由を望むのなら僕が翼を貸す。僕は君を助けたい…君の本当の願いは何?」

GVの言葉に少女は今まで抑え込んできた願いを吐き出した。

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