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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
想いの吐露と現実と
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いうのが可愛らしいところだ。事実、彼女はガバメントの安全装置を解除していなくて、単なる脅しだというのが誰にも見え透いている。
「まぁまぁ、そんなに怒らないの」と、いつも以上に眦を上げているアリアをなだめながら、文に向けられている銃口を逸らしてやる。「女の子は怒るより笑ってた方がいいでしょう」
「そーいえば、2人がパートナーっていうお話は聞いたことがあるのだ。ところで、神崎さんが如月くんと一緒の部屋に住んでるっていう噂は本当なのだ? 色々と言われてるけど……」
「本当だよ。……ただ、なるべく内密にしてくれていた方が助かるね。男子寮に女子生徒が寝泊まりしている事実は、教師から見たら不健全だろうから。生徒たちにも言及されちゃうし」
それこそ自分とアリアが同棲している──と公言してしまうと、客観的なお互いの関係に波風が立つことになる。言及も増えるだろうし、そうなれば追々と面倒臭くなるのだ。それが自分だけならまだしも、彼女にまで迷惑をかけてしまうのは悪いと思っているし、黙っているしかない。
そうして文は、その頼みを子供さながらの無邪気な笑みで快諾してくれた。「あややと2人だけの秘密、ってことにするのだ!」と、友誼的な言葉を、その口の中に転がしながら。
「うん、ありがとう。恩に着るよ」そう微笑してから、「ところで、本題なんだけどさ──」と続ける。今日ここに赴いたのは、その目的を達成するために他ならなかったのだ。
『ちょっと寄り道をするね』といった説明だけで自分に着いてきたアリアは、その理由を知らない。銃を仕舞ったらしいその手を組みながら、眦と赤紫色の特徴的な目で一瞥をくれた。
「昨年度の初めに、君に銃の改造をしてもらったろう。それで帰り際に、『また1年したら定期整備をするのだ! 忘れずに来てくださいですのだ!』って。だから約束通りに来たよ」
「あー……。そんなこともあったですのだ。あややと如月くんが初めて会った時なのだ!」
確かに、そう言われてみれば──そんなことを思い返しながら、文に促されるまま2人で椅子に腰掛ける。文に向ける目線は自分の目線よりも少し下で、そこと平行な位置にアリアが居た。
それにしても──と口元に手を遣りながら、彼女と果たした邂逅の所以を思い返してみる。当時は入学して間もない頃で、優秀な生徒の名前が噂に噂を重ねてあちこちに散見された。その中に恐らく、文がいたのだろう。確か『装備科の俊才ロリ』と呼ばれていたような気がする。
そんな噂が立つほどなのだから、彼女の技量は相当なものなのだろう──と期待して、単なる興味本位で依頼をお願いしたことを思い出した。それが銃の改造だったのだ。カスタムパーツといったものの取り寄せに始まって、反動除去機構の構築、デザートイーグルのバースト化、そういっ
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