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星河の覇皇
第七十二部第一章 マウリアの人口統計その二十九

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「強敵と戦い勝つことを望む」
「そうした方ですか」
「戦いにおいては」
「謀略よりもですね」
「そちらを好まれる方ですか」
「梟雄であるが勇者でもある」
 それがシャイターンだというのだ。
「それが彼だ、だからだ」
「アッディーン大統領とですか」
「戦われることを望まれますか」
「それが赤き豹ですか」
「豹の考えなのですね」
「豹と獅子は戦い合う」
 アッディーンは青き獅子と呼ばれていることからの言葉だ。
「そしてその場合は分ける」
「若しどちらかが勝てば」
 側近の一人がその場合について尋ねた。
「どうなりますか」
「その時はか」
「はい、一体」
「その場合はだ」
 まさにとだ、クリシュナータはその側近に答えた。
「やはり違う」
「そうですか」
「勝った方が一気に勢い付く、そして勝者はだ」 
 それがアッディーン、シャイターンのどちらであろうともというのだ。
「別の戦場でも勝つ、そうなる」
「そして戦いを有利にですか」
「進められる、そのことは確かだ」
 クリシュナータは確かな声で話した。
「事実な」
「そうですね」
「しかし私はそうはならないと見ている」
 アッディーンとシャイターンが直接対決を行う、その時にどちらが勝つかということはないというのである。
「やはり分ける」
「両者はですか」
「そうなりますか」
「痛み分けですか」
「そうなりますか」
「そして問題は他の戦場となる」
 二人が戦っているその場所以外のそこがというのだ。
「そこでどちらが勝つかだ」
「それが問題になりますか」
「サハラ統一の戦いでは」
「これからはじまる戦いでは」
「そうなるだろう、双方今は戦争の準備をしている」
 まさにそれをというのだ。
「後はだ」
「その準備が終われば」
「いよいよですね」
「開戦」
「そうなりますね」
「その戦争は最後まで見る」
 まさにその時までというのだ。
「そして統一した方とだ」
「我々は、ですね」
「国交を結ぶ」
「そうしますか」
「その時は」
「まさにそうする、だが最後の最後までだ」
 クリシュナータはまた言った。
「静観するぞ」
「動かないですか」
「静観のままですか」
「何もしない」
「そうされるのですか」
「そうだ、一切介入はしない」
 例え何があろうともというのだ、その戦争の中で。
「見ているだけだ、いいな」
「はい、ではその間はですね」
「内政ですね」
「それに重点を置く」
 マウリアのそれにというのだ。
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