暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第219話「絶望と憎しみ、負の感情」
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「嘘……!?」

 剣と刀をそれぞれクロスさせた両手で受け止める。
 リヒトによるグローブもあるが、それだけでは本来は防げない。
 でも、ここは神界。“格”の昇華がなかろうと多少の無理は通せる。
 そもそも、斬り落とされてさえいなければどうでもいい……!

「ふん!」

「っ!?」

「ぐっ……!?」

 クロスさせていた手を引き戻し、その反動で二人をぶつける。
 武器を手放す隙なんて与えない。全て一瞬だ……!

「ぉおおおおおおおおおおおっ!!!」

 共倒れさせた二人に見向きもせず、短距離転移する。
 転移後、足場を創造魔法で創り、跳躍。加速する。

「っ……!」

 洗脳された皆が立ち塞がる。
 だけど、遅い。
 勢いのまま掌底や蹴りを放ち、その反動でさらに跳ぶ。

「ぁ……」

「遅い」

 肉薄した際、緋雪が呆けた顔でこちらを見ていた。
 ……父さんと母さんの死に、洗脳されていても思う所があったのだろう。

 でも、今は同情する暇はない。

「あ、がっ……!?」

「そこ!」

 腕を掴み、地面に叩きつける。その全てを力任せに行う。
 “ブチブチ”と、体から出てはいけない音が聞こえる。
 それでも、僕は怒りに任せて力を行使する。

 そこへ、司が砲撃魔法を仕掛けてくる。
 ジュエルシードも使っているためか、それは広範囲で普通では躱せないだろう。

「ふっ!」

「っ!?ぐっ……!」

 だから、転移で躱す。
 直後に肉薄しようとした奏に向けて、まだ掴んでいた緋雪を投げつける。
 そこからさらに跳躍。蹴りを司に向けて放つ。

「甘い―――」

「甘いぞ」

「ッ!?」

 用意していた転移魔法でそれは躱されるが、振り返りざまに魔法を放つ。
 それは無造作で、術式なんて存在しない。
 だからこそ、純粋な魔力が円錐状に広がるように繰り出された。
 そこまで広範囲なら、転移先がどこであろうと変わらない。

「手出しはさせない!」

「なっ……!?」

 そして、()()()()()()()()を開放する。
 それは創造魔法による剣群の射出だ。
 それらを、残りの皆に差し向ける。

「――――――」

「っ―――――」

 唯一、なのはだけはこちらを見ているだけで何も仕掛けてこなかった。
 魔力を集束させていたが、何か抵抗するようにそれを放とうとはしない。
 もしかすると、あれは……

「(いや、今は……)」

 考えるのは後だ。
 とにかく、これで一瞬の“間”が出来た。

「―――イリスぅぅうううううううううううううう!!!」

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