第7章:神界大戦
第219話「絶望と憎しみ、負の感情」
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さん……?)」
体中“闇”に塗れ、ボロボロになろうとも、二人は動いた。
未だかつて出した事のない速度で優輝の下へ行き、突き飛ばした。
そして、その代償に……
「ぁ―――」
二人が、極光に呑まれた。
「う、そ……?」
その様を見て、緋雪が呆然と声を上げる。
当然だ。親が目の前で消えたのだから。
その事実は洗脳されていても変わらず、そのためショックを受けた。
「――――――」
だが、それよりも。
優輝の方が、そのショックは大きかった。
「(……なんで、二人が……どうして……)」
ぐるぐると、頭の中で自問が繰り返される。
本当は理解出来ていた。状況としては簡単な事だった。
だが、その“自分を庇った”と言う事実を受け入れられずにいた。
「ぁ……ぁぁ……」
優輝は頭が悪い訳じゃない。
頭が固い訳でもない。
そのため、自然と目の前で起きた事は理解できる。出来てしまう。
「ッ……!」
「ぁ、ぁぁぁ……!」
“ビリリ”と、感情の動きを司が感じ取る。
同時に、優輝へと霊力や魔力が螺旋状に纏うように集束していく。
そこへ、“天使”達が再び容赦なく襲い掛かった。
「―――ぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
刹那、それは爆発した。
怒り、憎しみ、後悔。行き場のないその“感情”が噴き出す。
感情の爆発により生じた衝撃波は、ダメージはないものの“天使”達を怯ませる。
「(僕が……僕がもっと強ければ……いや、もっと慎重でいれば……!こんな事には……こんな事にはならなかったのに……!)」
思考がまとまらなくなる。
理屈が伴わなくなる。
失われたはずの感情がただただ湧き出す。
その感情の赴くまま、優輝は行動を開始した。
=優輝side=
……まただ。
また、僕は喪った。
手を伸ばせば届いたはずなのに、届かなかった。
「ぅぁあああああああああああああああああ!!!」
失われたはずの感情が蘇る。
感情さえあれば、結果は違っていただろうか。
否、最早そんなのは関係ない。
「―――殺す……!!」
今は、目の前のあいつらを……感情に任せて蹴散らす!
「はぁっ!」
「ふっ!」
洗脳されたサーラととこよが両サイドから挟撃を繰り出してくる。
体は既に満身創痍。一挙一動の度に体が悲鳴を上げる。
……だけど、それがどうした。
「邪魔だ!」
「なっ……!?」
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