第7章:神界大戦
第219話「絶望と憎しみ、負の感情」
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のは優輝のみとなる。
その優輝も、既に身動きが取れない程満身創痍だ。
「ッ……!」
「っ、今のは……」
その時、“ザワリ”と司が何かを感じ取る。
天巫女故の、感情の感知能力は洗脳されていても変わらない。
その感知能力が、優輝から何かを感じ取ったのだ。
「既に勝ち目はゼロに等しいですが……油断はしません」
「っ……!」
イリスが指示を出し、一部の“天使”が優輝に攻撃を仕掛ける。
「ふっ……!」
刹那、その攻撃が受け流される。
反撃に出る事のない、防御に専念した導王流。
今この場において、その動きにさらに磨きがかかっていた。
「まさか……!」
“天使”達の攻撃を受け流しつつ、少しでも包囲を抜けようと移動する優輝。
その姿を見て、緋雪は思い当たる節があった。
「この期に及んで、またアレを……!」
それは、大門の守護者との戦いでも使った、導王流の極致。
あらゆる攻撃を受け流し、逸らし、そして反撃に転じる最終奥義。
その片鱗が優輝から感じられたのだ。
反撃が通じない今、攻撃を受け流す事しかしていないが、だからこそその時の極致の片鱗を見せる事が出来ていた。
「させませんよ」
「ガッ……!?」
だが、それすら神達は許容しない。
既に満身創痍で、体にガタが来ている。その上に“性質”による拘束が入った。
祈梨による“格”の昇華がない今、それを抜け出す術はない。
〈マスター!〉
「ぉ……ご……ふ……!?」
辛うじて、霊力と魔力による強化と障壁によって、身体欠損は逃れる。
だが、それは目に見えた範囲だけだ。
動きを止められ、嬲られたその体はもう動かせない状態だ。
「トドメです。死になさい」
最後に、イリスが極光を放つ。
それは間違いなく優輝を呑み込み、消し去るだろう攻撃だった。
そして、優輝にはもうそれを避ける術はない。
……そう。“優輝には”……
「「ぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!」」
それは、ただ“守りたい”その一心だった。
今まで、親らしい事が出来ず、自分達よりも強い息子だった。
そんな息子が、目の前で嬲られ、今まさに消し去られそうになっていた。
「ぇ―――?」
声を上げたのは、優輝か、緋雪か、それとも両方か。
優輝の状況を目の当たりにして、その二人はじっとしていられなかった。
例え“闇”に呑まれ、自意識が洗脳されようとも。
……何としてでも、親として優輝を守ろうとした。
「(母さん、父
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