第7章:神界大戦
第219話「絶望と憎しみ、負の感情」
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反動で力尽き、直後に“闇”に呑まれた。
「く、そ……!」
「足が震えてるよお兄ちゃん!あははは!」
優輝が立ち上がろうとするが、顔面を狙った攻撃が緋雪によって叩き込まれる。
辛うじて腕で防いだが、再び倒れ込む。
「優輝……!」
「緋雪、やめて……!」
「嫌だね!だって、お兄ちゃんがいなければこんな状況にはなってないもん。……こうなるのは当然の報いだよ。ねぇ?」
「ぐっ……」
倒れ込む優輝の頭を掴み上げ、緋雪は言う。
その緋雪の後ろには、司や奏、優輝を慕っていたはずの者達が、冷たい目で優輝を見ており、さらにバインドを掛けてきた。
「そんな、心にもない事を……」
「心にもない?あはっ、おかしな事を言うねお母さん。一瞬でも、そんな事を考えたのなら、それは本心なんだよ!」
「ッ……」
笑いながら言う緋雪は、確かに正気ではなかった。
それでも、その言葉に即座に反論できない。
「私だけじゃないよ。司さんも、奏ちゃんも、椿さんや葵さんすら、“志導優輝を狙ったから他も巻き込んだ”と言う事実がある以上、お兄ちゃんを心のどこかで責めた!……お父さんとお母さんも、そうでしょ?」
「緋雪……」
誰もが、同じ事を考えた。
決して敵いそうにない相手と戦い、何度も殺された。
そんな絶望の折、ふと考えるのは“どうしてこうなったのか”だ。
絶望の中ならば、その思考から誰かを責める事になるのはあまりに容易だった。
それは優香と光輝も例外でなく、故に言い返せなかった。
「ぁああああああああああああっ!!」
「ッ!?なのはちゃん……!?」
そこへ、未だに優輝の頭を掴んでいる緋雪目掛け、なのはが突貫した。
なのはも今までの無茶から体がボロボロになっているはず。
しかし、それでも二刀を束ねて緋雪へと繰り出し、突き飛ばした。
「それでも……っ、私は……っ!」
「うるさいなぁ……」
反論しようとするなのはに、緋雪は鬱陶しそうな反応を見せる。
片手で胴に刺さっている二刀を引き抜こうとし、掌をなのはに向ける。
「ッ!」
「……へぇ」
直後、魔力弾が緋雪の掌を弾き、即座にその腕を斬り落とした。
これで破壊の瞳による攻撃を防いだ。
「なのはちゃん、さらに強くなってない?……まぁ、でも」
「ぁ……」
優輝を襲う緋雪に集中した事がいけなかった。
なのはの背後から、イリスの“闇”が迫る。
回避するには遅く、なのはも“闇”に呑まれてしまう。
「ぅ、ぁ……!?」
「ぐっ……!?」
「っ……」
そして、優香と光輝、久遠も同じように“闇”に呑まれてしまった。
これで無事な
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