第7章:神界大戦
第219話「絶望と憎しみ、負の感情」
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「どうなっているの!?」
「わかりません!ただ、観測は出来てもそれ以外は……!」
優輝達が神界に突入してしばらく。
元の世界でも、管理局や陰陽師が動いていた。
しかし、既に祈梨の結界によって道は閉ざされており、援軍を出せずにいた。
「霊術から見ても、解析出来ない……これが神界の力なの……?」
「打つ手なし……という事なの……?」
澄紀も、リンディも、立ち往生するしかなかった。
それ以上の干渉が一切出来ずにいた。
「ふむ、どの観点から見ても、突破は不可能に近いか」
「エネルギー自体は観測出来るのだけどね」
この場にいるのはリンディと澄紀達だけではない。
ジェイルとグランツも来ており、彼らは比較的冷静に分析を続けていた。
集まった管理局員の半分程がジェイルを見て捕まえようとしたが、リンディ達一部の管理局員とジェイルの護衛であるナンバーズが止めた事で、今は大人しくしている。
「理論上、この障壁らしきものが持つエネルギーを超えた威力を集中させれば、突き破る事は可能だろう。幸い、本来干渉が出来なかった神界の力に干渉出来るようにはなっているみたいだからね」
「問題は、貫ける程の威力が用意できないと言う事だね」
“意志”を強く持てば、本来以上の威力を発揮する事も可能だ。
しかし、その情報を彼らは知らない。
そのため、こうして立ち往生が続いていた。
「アルカンシェルなら……」
「止めておきたまえ。確かにアルカンシェルは空間歪曲などの特殊効果から高い殲滅力を発揮する。しかし、この障壁らしきものは、あらゆる攻撃を等しく“攻撃エネルギー”として受け止めている」
「物理的な力だろうと、魔法であろうと、霊術であろうと、空間歪曲であろうと、この障壁らしきものは全て同一のものと見なしているんだ。アルカンシェルの特殊性が一切役に立たない」
管理局員の一人が呟いた提案は、ジェイルとグランツによって潰される。
実際、アルカンシェルでは障壁は貫けない。
神界への道を塞ぐ障壁は、“道を妨害するモノ”として存在している。
“そういう存在”として在るモノに、空間歪曲程度では意味がなかった。
「……この分だと、先行して突入した彼らも戻れないだろうね」
「……そうだね」
ジェイルはともかく、グランツも気が気でなかった。
家族であるキリエやアミタ達が向こう側にいるため、安否が気になっていた。
「クロノ……皆……」
そして、それはリンディも同じだった。
ただ無事を祈るしか、今出来る事はなかった。
「時間さえかければ、かなり強力な攻撃が出来るはずだ。急ぐ必要もあるが、儀式魔法及び霊術で突破を
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