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レーヴァティン
第百二十話 王都攻略その六

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「君って結構以上に自制心があるんだね」
「おい、そう言うか?」
「うん、最初会った時は結構今時な」
「俺達の世界で、だよな」
「そんな風だったけれど」
 これが剛の久志の第一印象だった。
「それがね」
「違うっていうんだな」
「うん、本当にね」
「そうなんだな」
「使えるものはね」
「何でも使うってか」
「そう思っていたけれど」
「いや、金だってな」
 久志は剛にこちらから話をした。
「あってもな」
「いつも使ってたらなんだ」
「すぐになくなるだろ」
「うん、お金はね」
「それでレーヴァティンもな」
 この剣もというのだ。
「そうそう使うとな」
「力が強いだけに」
「本当に燃やすべきものでないものを燃やしたりな」
「そうしたことになるからだね」
「だからな」
 それでというのだ。
「あくまで切り札でな」
「全力ではだね」
「使わない様にしてるんだよ」
「あくまでその場で必要なだけだね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だから今もな」
「使ってもだね」
「力をセーブしたんだよ」
「本当に切り札だね」
「そうなんだよ」
「強過ぎる力は使いどころと使い方を考える」
「それだよ」
 大事なことはというのだ。
「本当にな」
「君も考えてるんだね」
「そりゃ勝ちたいさ」
 戦にはというのだ。
「それでもってことだよ」
「成程ね、じゃあ」
 剛は久志の話を聞いて彼に言った。
「今からもだね」
「レーヴァティンの使いどころと使い方を考えて」
「そうしてだね」
「戦ってな」
「勝っていくね」
「ああ、絶対にな」
 こう剛に言う、そしてだった。
 久志は破った敵軍から傷付いた兵や戦死者の救助を行い彼等も捕虜にしてそれが終わってからだった。
 あらためてメンフィスへの進軍を再開した、ここで淳二が言ってきた。
「密偵から報告があったよ」
「メンフィスのことだよな」
「うん、もう守りもなくなって」
 それでというのだ。
「おいら達に降ることをね」
「考えだしているんだな」
「かなり真剣にね」
「よし、じゃあな」
 それならとだ、久志は淳二に顔を向けてこう言った。
「使者を送ってな」
「それでだね」
「城の将兵も王族もな」
「全員の命とだね」
「権益もな」 
 そうしたこともというのだ。
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