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レーヴァティン
第百二十話 王都攻略その三

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「使うな」
「騎兵の衝撃力使うか」
「ああ、ただ最初はな」
「騎兵は使わんな」
「最初に使ってもな」
 そうしてもというのだ。
「それが常道でもな」
「常道は常にええか」
「そうも限らないからな」
「万全の備えしてる相手に正面から突撃しても」
「やられるだけだよ」
 そうなってしまうというのだ。
「だからな」
「今回はやな」
「最初に騎兵は使わないさ」
「そうするんやな」
「重騎兵も軽騎兵もな」
 そのどちらもというのだ。
「最初はな、まずはな」
「敵の守りを崩してやな」
「騎兵使うならそれからだな」
 そうするというのだ。
「まあ実際使うつもりだけれどな」
「そやね、ほなな」
「まずはな」
「敵の守り崩すな」
「そうするな」
 こう言ってだ、久志は自分達が乗る船を先頭に出させた。そうして敵の守りが見えると実際にだった。
 川と岸辺に万全の布陣を敷いていた、それで久志は言った。
「関所だな、けどな」
「それ以上ね、あれは」
 双葉もその敵陣を見て言った。
「川と岸を完全に塞いでいる」
「そうしたものでな」
「もう堤防だな」
「その域ね」
「俺達を絶対にこれ以上は進ませない」
「そうした布陣ね」
「これはな」
 どうかとだ、久志はさらに言った。
「普通に攻めてもな」
「この軍勢でも止められるわね」
「ああ、川も岸辺もな」
 どちらでもというのだ。
「普通に攻めてもな」
「突破出来ないわよ」
「術と鉄砲を使っても」
 それでもというのだ。
「そうしてもな」
「突破出来ないわね」
「敵も術者が多いからな」
 見れば彼等が前に出ている、結構な数で如何にもレベルが高そうな者もその中に実に多く見えている。
「鉄砲は殆どないがな」
「弓矢も多いし」
「あそこをそのまま攻めても」
 このまま正面から攻めてもというのだ。
「止められるな」
「そうなるわね」
「実際に川の流れみたいにな」
「そうなるわ」
「しかも俺達は遡ってきている」
 正も言ってきた。
「低いところからな」
「高いところにな」
「地理的にも不利だ」
 久志にこのことも話した。
「だからだ、あれだけの見事な陣だとな」
「このまま攻めてもな」
「負けるからな」
 だからだというのだ。
「ここはだ」
「このまま攻めたら駄目だな」
「そうだ、どうする」
「もうここはな」
 どうするかとだ、久志は腰の剣を抜いた。レーヴァティンを。
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