第七十二部第一章 マウリアの人口統計その二十四
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「そうした方でして」
「政治家としての資質はかなりかと」
「またスキャンダルもです」
「そうした話もありません」
「若くしてあそこまでなった」
一つの政府の主席、そこにまでというのだ。
「では裏でもだ」
「やはり相当なことをしてきたでしょう」
「ですがそれを見せません」
「毅然としている表情だけです」
「そうした表情だけを見せます」
「そしてそれもです」
その顔もというのだ。
「英雄、政治的なです」
「そうした顔であり」
「アウトカースト層の中で絶大な人気があるそうです」
「カリスマと言っていいまでに」
「そこまでの様です」
「そうか、カリスマか」
そう聞いてだ、クリシュナータの目がさらに光った。そのうえで自身の側近達に対してこうも言ったのだった。
「より会いたくなったな」
「そうですか」
「そう思われましたか」
「では会談の場を」
「それをもうけられますか」
「そうしたいが」
ここでだ、クリシュナータはこうも言った。
「公には無理だな」
「はい、相手はアウトカースト層です」
「そのことを考えますと」
「主席はバラモン階級にあられます」
「それもかなり上位の」
三千はあるというカーストのかなり上位にある、ヒンズー教のカーストは階級が違えば直接の会話も出来ないのだ。
だからだ、側近達もこう言うのだった。
「ですからどうもです」
「あの主席殿とお話をすることは」
「バラモンとアウトカーストでは」
「公ではとても無理です」
「会談自体が」
「会うことすらな」
それだけでもというのだ。
「難しいな」
「はい、どうしても」
「そうなりますね」
「ですから公にはです」
「それは出来ないですね」
「そうなるな、ヒンズーでのカーストは絶対だ」
そう言っていいものだ、何しろこのカーストが社会構造を決定していて職業分化による個々の人間を子孫まで含めて守っているからだ。
だからだ、クリシュナータもカーストを無視出来ずこう言うのだ。
「これがまだシュードラ階層ならな」
「まだカーストの中にありますので」
「公でもです」
「何とかよしとなりますが」
「握手をしましても」
「カーストの中にあれば」
「カーストの中と外では全く違う」
それこそ何もかもがというのだ。
「だからアウトカーストは除外されたのだ」
「カーストの世界にないからこそですね」
「社会からも除外されましたね」
「無視されてきました」
「今回の調査、統計まで戸籍にも出ませんでした」
「そうなっていましたね」
「実際にな、シュードラを奴隷と言うが違う」
他国、連合やエウロパが時としてだ。
「平民と言うべきだ」
「そうなりますね」
「待遇的にも」
「あくまでもカーストの中
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