五十四匹目
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もかく」
「僕をなんだと思ってるんだ」
アイテムボックスから手裏剣の束を出してズボンのベルトに引っ掻けておく。
血の気の多い二人がどんどん先へ進んでいく。
僕とメリーちゃんはそれを追う形だ。
「やー、元気だねぇ」
「ジジ臭い」
「失礼な。僕は前世を含めてもまだ23だ」
「にじゅうさん……」
何故かメリーちゃんが頬を膨らませた。
「どうかした?」
「………………」
メリーちゃんがじっと僕を見る。
「…………………………見えない」
「そりゃぁ肉体はまだ六歳児だからね」
「なかみも」
「おい…」
そんな話をしていると、前方で大きな音がした。
ドォン! という落雷の音。
「くーちゃん…?」
前の方を見ると、くーちゃんが手を前に向けていた。
その延長線上には緑や青の小さな人型モンスター。
「お、ゴブリンだ。珍しいな」
ゴブリン。
主に霊長類が変異したモンスターだ。
…………エロ同人みたいなノリは無い。
無いったら無い。
彼らとて同族とまぐわいたいのである。
姫騎士とオークのくっ殺なんてない。
………………………少なくとも現実には。
「ひぃ…ふぅ…みぃ………五匹…いや八匹か」
立っているのが五匹。今の雷撃で倒れたらしいのが三匹だ。
「ん…」
メリーちゃんがたった一音と共に振り上げた手を振り下ろす。
キラリと、煌めきがゴブリン達を包んだ。
上空に作られた氷柱がゴブリン達を貫き、絶命させた。
「メリー! 私の獲物よ!」
「ふっ…早い者勝ち」
「むぅ…」
物騒な話だ…。
普通この年頃の貴族子女が取り合う物って言ったら服やアクセサリーなのでは?
少なくとも狩のスコアでは無いだろう…。
「ところでだが、狐君はまだスコア0ではないか?」
「え? 僕?」
メリーちゃんとくーちゃんの視線もこっちへ向けられた。
「僕は別にいいよ」
「ダメよ。貴方も働きなさい」
…………えー?
さっきまでスコア争いしてたじゃーん。
まぁ、いいんだけどね。
「わかったよ。じゃぁ次に出てきた獲物は僕の者って事で」
では獲物を探すとしようかな。
体の隅々まで魔力を巡らせる。
身体強化術だ。
そして、特に耳に重点的に魔力を籠める。
聴覚が、知覚が拡大する。
鳥の囀ずりや木々のざわめき。
さらには三人の心音までも知覚に入れる。
拡大した知覚の中で、足音が聞こえた。
四足歩行の獣だ。
一匹だからたぶん狼ではないだろう。
猪とかかな?
もう少し情報が
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