五十四匹目
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が着いていくと邪魔だからな」
「それはどういう…?」
「アタシはあんま機動力ないし、リィンは見てわかるように大柄だし、ルイスはたぶんお前達の足を引っ張る」
あー……なるほどね。
「つー訳で、たまには四人で思い切り魔法ぶっぱなして来い」
「ん。わかった」
既に森へ入って行っているくーちゃん達を追う。
暫く進むと、やけに大きな蝶を見つけた。
「何かしら、あれ?」
相対距離は十メートルあるかないかで大きさは1メートルほど。
形は蝶そのもだ。
アストラル・ポーチの図鑑を捲るまでもなく、その名前は知っている。
「ビッグ・バタフライ。安直なネーミングだけどれっきとしたモンスターだよ」
モンスターは簡単に言えば魔力が集まって自然発生するか魔力で既存の生物が変異したナニカだ。
要するに、よく分からないモノだ。
そしてビッグ・バタフライは主に後者だ。
蝶や蛾が魔力で変異したモノとされている。
「ふむ。つまり狩って討伐部位を持っていけば小遣い稼ぎになるという事か?」
「まぁそんな所」
「では私の出番だな!」
とシャクティが前に出て刀に手をかける。
「そう。姫様とかぬいちゃんがやると消し飛ぶ」
「威力調整くらいできるわよ」
「僕だって投げナイフ使えば消し飛ばす事なんかないよ」
ん? というか…
「メリーちゃんは?」
「え?………………………面倒くさい」
うん、メリーちゃんらしい。
「では斬るぞ」
シャクティが居合いの構えを取る。
「風刃抜刀!」
一瞬で振り抜かれた無色透明の刃。
そしてその刃と同じく無色透明の、空間の揺らぎのような三日月状の斬撃。
その真空の刃はビッグ・バタフライに吸い込まれるように向かっていく。
そして一瞬の後、ビッグ・バタフライは振り抜かれた刀の軌道に沿い、斜めに切り裂かれた。
そしてパサリと地に落ちた。
「さて、回収しようではないか」
「ああ、待ってシャクティ」
アイテムボックスからトングを出す。
「ビッグ・バタフライは元になった蝶や蛾によっては鱗粉に毒がある。
触るならこれを使うんだ」
「おお、感謝するぞ狐君」
シャクティは空間にサッと手を振ってアイテムボックスの入口をつくると、トングでビッグ・バタフライの死骸を入れた。
「さっさと奥に行きましょう。私が吹き飛ばしても大丈夫なくらい大きいのが居るところまでね」
と言いながら何やら魔法を待機させている。
「ん。わかった。でも姫様が全力出したら森がふっとぶ」
「さすがの私もそれは無理よ。シラヌイならと
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