第二十六話「来禅高校修学旅行・Y」
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少年、シュレディンガー准尉は男、大尉に愚痴るが大尉は全く気にせずに十香そしてエレンを見る。エレンは先ほどの攻防に動いた様子はなく、バンダースナッチを十香とシュレディンガー准尉達を囲むように移動させたのみだった。とは言えバンダースナッチ程度なら大尉の前では案山子同然であり逃げる事など簡単であった。
大尉とシュレディンガー准尉はそれぞれ無表情と笑みを浮かべ十香は蹲る士道を守るように大尉とエレンを警戒しエレンは十香をどうやって捕まえつつ目の前の危険人物から逃げるかを考えていた。
三つ巴の戦いはまだ始まったばかりである。
一方、その頃。ラタトスクの空中艦フラクシナスを見つけ攻撃していたアルバテルは混乱の極みにあった。
自分たちの砲撃を尽く防がれ傷一つつけられていない中突如後方が爆発を起こしたのである。正確には外部からの砲撃である。
そしてそれと同時にアルバテルのレーダー内に新たな艦を観測した。全体的に白いその空中艦は艦首に黒と白で描かれた鉤十字を付けていた。アルバテルの艦長ジェームズ・A・パディントンはその艦の正体を知らなかった。その為正体不明の艦の出現という異常事態に咄嗟に反応出来なかった。この差が命運を分けた。
グラーフ・ツェッペリンUの主砲たる41cm三連レーザー砲より合計12の線がアルバテルに向かって伸び当たると同時に着弾場所を溶解と破壊を行い、爆発を生み出す。
真夜中の空に巨大な爆発が起きる。幸い艦を動かしているエネルギーたる基礎顕現装置とそれをコントロールする制御顕現装置に損傷は無かった。しかし、まだまだこれからとばかりにグラーフ・ツェッペリンUは大量のミサイル、彼らがV3と呼ぶミサイルはアルバテルを囲むように発射され一気に爆発を起こす。幸い、いくつかはアルバテルの砲撃で撃ち落とすことが出来たが最初の一撃も含めてアルバテルは大きく損傷していた。
一方先ほどまでアルバテルと交戦していたフラクシナスはアルバテルの陰になる事でグラーフ・ツェッペリンUからの攻撃を回避していた。
「ふむ、やはりあの艦は奴らの…。司令の不在時に動き出すとは」
司令代理である神無月恭平は先ほどまでのだらけ切った顔や凛々しい顔とは別の顔、今出会いたくない者に出会った時の様なしかめっ面をしていた。
「ど、どうしますか!?今の内に逃げますか!?」
「…いえ、そう言うわけにもいかないでしょう。新たに現れた艦の目的は分かりませんが目の前にいる艦は恐らくDEM社の艦。そう考えれば目的ははっきりとします」
クルーの一人中津川宗近の言葉に神無月は冷静に返す。そこには遊びは感じられず
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