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ある晴れた日に
731部分:ある晴れた日にその五

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ある晴れた日にその五

「また一年宜しくな」
「楽しくな」
「ああ」
 ここでは微笑んだ。口元だけではなく目もだ。微かだが確かに笑っていた。
 そうしてである。彼はここでさらに言ってきたのだった。
「それで」
「未晴よね」
「それよね」
「そうだ」
 まさにそうだと話してもきた。
「あいつをまず職員室に送ってきた」
「こっちには直接来ないんだな」
「まだ身体が?」
「いや」
 身体については何ともないという。
「確かにまだ激しい運動は無理だがな」
「とりあえずはそれはなのね」
「大丈夫なんだ」
「それは大丈夫だ」
 また話す彼だった。
「ただ」
「ただ?」
「何あるんだ、職員室に」
「御両親も学校に来ている」
 未晴のそのだ。
「色々あったからな。やっと学校に通えるようになって」
「それでか」
「考えてみればそうよね」
「ええ、確かに」
 皆それを聞いて確かに頷くものがあった。
「やっぱり。色々あったし」
「それだと」
「後で来る」
 また言う正道だった。
「多分先生達と一緒だ」
「それでその先生達は」
「また江夏先生と田淵先生じゃねえの?」
「何かそんな気がするけれど」
「そうだ」
 正道から返答が来た。
「一年の時と同じだ」
「やれやれね」
 茜がそれを聞いて肩をすくめてきた。
「またあの先生達と一緒っていうのは」
「嫌か」
「嫌じゃないわ」
 笑ってそれは否定した。
「そうなのって思うだけでね」
「何か顔触れは同じで」
「また一年か」
「けれど違うところもあるわよ」
 明日夢が皆に話してきた。
「ちゃんとね」
「ああ、そうだよな」
「確かにな」
 野茂と坂上が最初に気付いて言ったきた。
「俺達一年の間に随分仲良くなったもんな」
「そうだよな」
「最初な、柳本とかどうなんだって思ったけれどな」
「全くだぜ」
 坪本と佐々は苦笑いと一緒に咲に話してきた。
「こんな奴等と一緒に一年なんてな」
「えらいクラスになったってな」
「最初ね、正直東の娘達と喧嘩するんじゃないかって思ったのよ」
 咲も話す。
「めぐりんとか茜ちんとね」
「私達もそりは合わないかもって思ってたわ」
 恵美も実際にそう思っていたのだった。
「実際ね」
「けれど合ってるし」
「あんたは合い過ぎ」
 静華は呆れながら凛に突込みを入れた。やはり明日夢を抱き締めている。

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