19 隙見せぬ猛攻
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石を操る力を得て、石を巨大化させた。そしてオリガを潰そうとした。オリガは慌ててなんとか石を砕いた。そしてオリガは高速移動でかよ子に接近する。かよ子の杖には石を操る能力がまだあったので、石で壁を造って防いだ。しかし、オリガはその壁を突き破った。
「どうやら物理的に殺すしかないようね」
オリガはナイフを取り出した。かよ子を刺そうとする。この近距離では避けられない。その時・・・。
「や、やめて・・・!!」
小春が石ころを拾い、オリガに向けて投げた。オリガは小春の投石に急いで対応して撥ね返した。その隙にかよ子は何とか後退りし、後ろにジャンプして避けた。草の薄さに腕を少し切った。
(切れ味のある草・・・。そうだ・・・!!)
かよ子は杖の使用方法を記した本に書かれてあった一文を思い出した。
【刃でない場合、切れ味の鋭いものであるならば、切り刻む能力を得られる】
(この草、能力として使えるかも・・・!!)
かよ子は草に杖を向けた。杖は光りだし、先に丸鋸を付けていた。
「この子、邪魔して・・・!」
オリガは小春に視線を向けると、瞬殺しようとした。
「い、妹に手を出すな!」
長山は妹を庇った。その時、オリガは指鳴らしをやめた。この時、長山はふと気がついた。
(殺す時は指を鳴らせばすぐにできるのに僕が小春を庇うと殺すのをやめた・・・?)
長山は考察する。殺害の対象は目に見えていないと殺せない。そして、彼女はあからさまな攻撃では効かないと言った。なら今小春の投石が意表を突く攻撃でなかったらそちらに対応してかよ子はあっさりとやられていた。それならば・・・。
「山田、今だ!」
「うん!」
かよ子も長山も阿吽の呼吸だった。かよ子は能力を得て装備された杖先の丸鋸をオリガに向けた。オリガは何とか跳ね返した。
「山田、普通に狙っても跳ね返される!遠回りして狙うんだ!」
「遠回りして狙う?うん!」
かよ子は長山の言う事が理解できた。遠回りして狙うと言う事は対象をそのまま狙うのではない。つまり、野球の変化球のように放物線を描きながら狙うと言う事だ。かよ子は再び草から切断の能力を得て丸鋸を杖先に装備した。だが、鋸はオリガに真っ直ぐ飛んだ。
「馬鹿なの?あの少年も言う通り、真っ直ぐ狙っちゃ跳ね返すわよ!」
オリガは簡単に目の前に来た丸鋸を破壊した。
「そうだよね。でも私は鋸は『二枚』造ってるよ!」
「・・・え?」
その時、オリガの背中に何かが刺さった。かよ子は能力を得る際、丸鋸を二枚造っていた。そして一枚はオリガの真正面に飛ばし、もう一枚はオリガの背中に回り込んで飛ばしたのだった。
「あ、あああーーーーーーーーーーっ!!」
オリガは背中に刺さった鋸の痛みで耳をつんざくような悲鳴を挙げた。
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