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ある晴れた日に
73部分:優しい魂よその八
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のな」
「だからよ。俺もやったことはねえんだよ」
 流石にこれはしなかったようだ。
「ツレがやったけれどな。中学校の時のな」
「そいつ生きてるか?今」
「マジで真冬の寒中水泳とかになってねえか?」
「とりあえず生きてるぜ」 
 それは大丈夫だと言う。
「流石に今はやってねえけれどな」
「まあそうだろうな」
「っていうか止めろよ」
 皆でこう言う。
「そんなことよ」
「洒落にならねえだろうがよ」
「花火って危ないものだけれどね」
 桐生は静かに線香花火をやっていた。屈んでそれを一人見ている。
「それでも。流石にそれはね」
「ああ。俺もあれには引いたぜ」
 語る野本の額には実際汗が流れていた。
「死にたいのかよって思ったな」
「怖いな。全くよ」
「絶対にしたかねえな」
「そういえばさ」
 明日夢は爆竹を持っていた。
「この爆竹でもさ」
「どうしたよ少年」
「ただやるだけじゃ変化が欲しい場合あるじゃない」
「ああ」
「それでも蛙とかに仕掛けるのは駄目だけれど」
 実際にそうした遊びもある。お世辞にもいいものではない。
「けれど普通じゃ面白くないって言い出して」
「何かあったの?」
「小学校の時男の子が犬のうんこに爆竹仕掛けたのよ」
 皆にこのことを話す。
「そうしたらどうなったと思う?」
「うんこが爆発?」
「まさかと思うけれど」
「そのまさかよ」
 かなり暗鬱な顔で皆の問いに答えた。
「本当にね。大変なことになってたわ」
「そうだろうな」
「爆発して周りに飛び散ったでしょ」
「ええ」
 その顔のまま皆に答える。

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