帰宅
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ものも大きかった。
俺の初恋の人。
俺は彼女とこれからを過ごしたかった。
人生を共に歩みたかった。
だが、俺に彼女の思いを止める術は持ち合わせてはいなかった。
この聖杯戦争で唯一失った、俺の大切な人。
でも、今でもチャイムが鳴ると時々考える。
この来客は、彼女なんじゃないか、と。
ピンポーン
凛「あら、来客みたいね。出てくるわ」
士郎「あ、ああ、悪いな」
遠坂がチャイムの主の元へと部屋を出ていく。
俺もふっと外の音に耳を傾ける。
騒がしさから言って、来客は複数、6、7人以上は居るようだ。
はて、俺の家に一体誰がそんな大人数で来るというのか、なんてことを俺は鍋をテーブルに置きながら考える。
置いたそのタイミング。
部屋に遠坂が戻ってきたと思ったら、焦りを隠そうともしないその顔で俺の名を呼んだ。
「し、士郎!!こっち来て!!」
俺は遠坂に手を引かれ玄関に来る。戸は閉まっており、影からでも大人数がそこにいることは分かる。
士郎「一体なんだってんだよ、遠坂」
俺は遠坂に目をやる。
遠坂「知らないわよ!一体、何をどうしたら…いや、魔力は…それとも人間…?」
埒が明かなさそうなので、俺は突っかけを履き、戸に手をやる。
遠坂「あ、し、士郎!」
我に返った遠坂が俺を呼ぶ。
遠坂「くれぐれも、失神しないでね。私は衝撃でやられかけたわ」
士郎「いや、そんなに危ないやつがいるのか?聖杯戦争は終わったんだぞ?」
俺は戸を開け放ち、そこにいた人に声をかける。
士郎「どちら様?生憎新聞は間に合って……」
その時の俺の頭の中はカオスそのものだった。
一体これはなんだ?
どういうことだ?
考えても考えても纏まらない。
いや、寧ろこの状況で瞬時に全てを理解できる人間はそうそういないだろう。
それほどまでに、俺はその光景に衝撃を受けた。
「ただ今戻りました、シロウ」
そう言い、金髪の白の服に青のスカートの女性は俺に微笑みかける。
士郎「……………セイバー……」
こんなことがあるのかと思った。
夢じゃないかと思った。
いや、これは夢だったとしても、一種の悪夢でもあるのではないか、とも。
士郎「………その後ろのそっくりさん達は誰なんだ?」
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