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星河の覇皇
第七十二部第一章 マウリアの人口統計その十八

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「連合も彼等についてはだ」
「はい、これといってですね」
「調べていませんでしたね」
「元々他国に興味のない国だったので」
「そのせいで」
「そうだった」
 まさにというのだ。
「あの国も、そしてエウロパもな」
「我々の状況を見て、ですね」
「何処か遠慮して」
「アウトカーストについては観ませんでしたね」
「彼等も」
「そうだった」
 どの国も彼等について積極的に観ようとしなかった、まさにいない存在どころか存在さえ知らない者も多かったのだ。
「まさにな」
「左様でしたね」
「その為我々もです」
「碌に知りませんね」
「あちらの政府の主席の名前もです」
「性別さえも」
「そうだ、知らない」
 まさにというのだ。
「私にしてもな」
「我々もです」
「彼等の政府のことも知りません」
「具体的なことは全くわかっていません」
「何もかもが」
「そうだ、しかしそれもだ」
 まさにというのだ。
「今回の統計でだ」
「はっきりしますね」
「彼等のことが」
「色々と謎に包まれていましたが」
「裏社会の様に」
「いや、それだ」
 クリシュナータは側近の一人の裏社会の様な、という言葉を指摘した。
「まさにそこだ」
「裏社会ですか」
「そうだ、このマウリアのな」
 アウトカーストの社会こそがというのだ。
「マフィアまであるしな」
「表が我々で」
「彼等は裏だ」
 そうなるというのだ。
「まさにな、しかしだ」
「それでもですか」
「これからはその裏社会もですか」
「マウリアに入る」
「裏でなくなりますか」
「何事も全て表と裏がある」 
 さながらコインの様にだ、このことはあらゆることについても同じだ。
「彼等を取り込んでもだ」
「裏社会は、ですか」
「どうしても存在する」
「そうなりますか」
「そうなる」
 このことはどうしても排除出来ないというのだ、人類の社会からヤクザという存在がどうしてもなくならないのはこの表裏の構造も大いに関係している。社会のそれが。
「裏社会はなくならない、なくそうとすればだ」
「それもまた極端な社会ですね」
「それも実に」
「全体主義国家の様な」
「そうした国家になりますね」
「全体主義国家は権力を一つにする」
 国家、もっと言えばその頂点にいる独裁者にだ。
「だから他の権力を排除するからな」
「それが裏社会でもですね」
「マフィアであろうとも排除する」
「弾圧まで行い」
「そうして」
「ナチスやソ連では存在しなかったしな」
 ヒトラーやスターリンの頃は特にだ。
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