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ある晴れた日に
721部分:清き若者来るならばその七

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清き若者来るならばその七

「そうか、こういう時は」
「うん、手を握ればいいから」
「わかった」
 あらためて言う彼だった。
「それならこのまま握っている」
「それでいいと思うよ」
「そうだね」 
 気流だけでなく加山も言ってきた。
「それでいいと思うよ」
「それでだけれどな」
「今度は俺達がいいか?」
 野茂に坂上、それに坪本と佐々だった。竹山もいる。
「俺達は漫才な」
「練習してきたからな」
「それでもいいよな」
「ええ、心がこもってるから」
 晴海が娘の言葉を代弁してきた。
「それで」
「わかりました、それじゃあ」
「今から」
 こうして彼等も漫才をする。今度は反応がなかった。だが正道は彼女の手を握りながらまた言うのだった。その言った言葉は。
「また温かくなった」
「そうか。わかってくれてるんだな」
「ちゃんと」
「間違いない」
 そうだというのだ。
「感じる。確かに」
「未晴、有り難う」
 咲が今言った。
「感じてくれて」
「本当にな」
「私達のことわかってたのね」
「そうよね」
 春華に静華、凛も言った。
「そうか、温かいんだな」
「ちゃんと」
「わかってくれてるのね」
 そうしてだった。奈々瀬もまた。
「未晴、これからだけれど」
「これから?」
「何だっていうの?」
「外に出ない?」
 こう提案したのである。
「これから外に」
「外にか」
「外に出るっていうんだな」
「この中だけでパーティーするのも何か飽きるし」
 皆にも言ってきていた。未晴に対してだけではなかったのである。
「だからね。外に出ない?」
「いいな」 
 彼女のその提案に最初に頷いたのは正道だった。
「それならだ。これから」
「これから?」
「公園に行くの?」
「植物園だ」
 そこだというのである。
「あの植物園に行こう」
「行くのか」
「今からそこになのね」
「行くっていうのか」
 皆その正道に対して問い返した。
「それでどうだ」
「いいと思うぜ」
 野本が微笑んで彼のその提案に最初に頷いてみせた。
「クリスマスっていっても木しか見ないと駄目ってわけじゃないよな」
「そうだよな、クリスマスっていってもな」
「皆一緒だし」
「それなら」
 皆頷いてだった。そのうえでだ。

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