第三幕その八
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「カレーライスもね」
「わかりました」
こうお話してでした、そのうえで。
皆で茶碗蒸しも食べて三時まで海の中を観てでした。
三時になると和風のティ―セット、お抹茶に三色団子、きんつばにどら焼きを食べつつそのうえででした。
皆で海を観ていますがその海で、です。
恵梨香はあるものを見付けてそれで皆に言いました。
「さっき鯨いたけれど」
「うん、さっきね」
「凄く大きな鯨だったね」
「しかも白くて」
「凄く目立ったわね」
「あれはまさか」
白くてとても大きな鯨だからとです、恵梨香はさらに言いました。
「白鯨かしら」
「うん、オズの国の海にはね」
「白鯨もいるんですか」
「モビィーディッグもね」
船長は白鯨をこう呼びました。
「いるんだよ」
「あの、白鯨って」
この鯨だと聞いてです、恵梨香は眉を曇らせてこうも言いました。
「確か」
「凄く怖い鯨だっていうんだね」
「体当たりで船を壊す様な」
「あれは外の世界の白鯨だよ」
「オズの国にいる白鯨とは違いますか」
「うん、違うよ」
そうだというのです。
「だから安心していいよ」
「そうですか」
「とても優しいから」
オズの国の白鯨はというのです。
「安心していいよ」
「それじゃあですね」
「うん、若し近くに来ても」
それでもというのです。
「船に何もしてこないよ」
「それなら」
「うん、若し近くに来たら」
白鯨がそうしてきたらというのです。
「お話してみるといいよ」
「わかりました」
「こっちに来るみたいよ」
ビリーナはマストの方に登ってそれで海を遠くまで見ていますがそこから恵梨香達に言ってきました。
「どうやら」
「そうなの」
「じゃあね」
「ええ、私達もね」
「お話出来るかもね」
恵梨香達は少し期待しましたが実際にでした。
白鯨は船の方に来てです、白くてとても大きなお顔を出してそのうえでまずは船長達に挨拶をしてきました。
「こんにちは」
「ええ、こんにちは」
恵梨香がにこりと笑って応えました。
「元気そうね」
「この通りね」
見ればとても白くて大きなマッコウクジラです、その大きさは大体百メートルでしょうか。かなりの大きさです。
「元気だよ」
「それは何よりね」
「うん、それとね」
「それと?」
「その子達がだね」
白鯨は船の横をお顔を出して泳ぎつつです、船の中をとても大きな目で見つつトロットに尋ねました。
「外の世界から来ている」
「ええ、オズの名誉市民の子達よ」
「そうだね、噂には聞いていたけれど」
それでもというのです。
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