第三幕その七
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「別ものだって」
「カリーとはだね」
「元は確かになんですよ」
「カリーだね」
「インドの、ご飯の上にかける」
このことは間違いないというのです。
「ですがそれが」
「カレーライスはね」
日本のそれはといいますと。
「もうそれこそだね」
「完全に別ものだって」
「そうだね、実際にね」
「もう完全にですね」
「あれは別ものだよ」
またこういう船長でした。
「カレーライスというね」
「カリーとは違った」
「イギリスでもカレーはよく食べるけれど」
それでもというのです。
「やっぱりね」
「また違うものになっていますか」
「イギリスから日本に入ってね」
「そもそもビーフカレーは、ですね」
「インドでは牛肉は食べないね」
「はい、そのことも言われました」
インドから来た同級生の子にです。
「その子絶対に牛肉食べないですし」
「宗教の問題でだね」
「もう何があってもです」
牛肉を食べることはというのです。
「しないです」
「そうだね、けれどだね」
「日本のカレーは牛肉が入っているカレーが多いです」
「ビーフカレーがね」
「そう考えるとですね」
「実際にかなり違うよ」
日本のカレーとインドのカリーはというのです。
「しかも独自の進化を遂げているしね」
「カツカレーは斬新なお料理だよ」
教授はこう言い切りました。
「まさにね」
「斬新ですか」
「そう、第二次世界大戦後日本の千葉茂という日本のプロ野球選手が考えだしたんだ」
「日本の、ですか」
「その人は洋食が好きでね」
それでというのです。
「カレーライスと豚カツを同時に食べたいと考えて」
「それで、ですか」
「カレーライスとご飯を一緒にしてね」
「出来たんですね」
「そこからだろうね」
そのカツカレーからというのです。
「海老フライカレーが出来てハンバーグやソーセージも使った」
「そうしたカレーもですか」
「出て来たんだよ」
「そうなんですか」
「日本のカレーは凄い進化を遂げているよ」
まさにと言う教授でした。
「味についてもね」
「林檎を隠し味に使うことはね」
モジャボロは自分の大好物からお話します。
「いいことだね」
「その隠し味の使い方もですか」
「いいことだと思うよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「そうですか」
「蜂蜜も使ったりするしね」
「それもいいことですか」
「面白い味になってね」
「インドのカリーも美味しいけれど」
ここで言ったのはトロットでした。
「日本のカレーもね」
「美味しいですか」
「私も大好きよ、また今度ね」
「カレーライスをですか」
「食べましょう、たこ焼きも食べて」
そしてというのです。
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