第七十二部第一章 マウリアの人口統計その八
[8]前話 [2]次話
「それを見ますと」
「どうしてもだ」
「はい、今の我々ではですね」
「連合に対することは出来ない」
どうしてもというのだ。
「連合が強くなりだ」
「そして我々は復興途中」
「そうした状況だからな」
「バランスを取る為にですね」
「我々を助ける」
これがマウリアの考えだというのだ。
「連合と釣り合ってもらう為にな」
「その為に技術もまた」
「供与してくれる」
結果としてそうなるというのだ。
「無論表立ってではないがな」
「どうもですね」
カミュが言ってきた。
「彼等は我々の工作員が情報を見ても」
「それでもだ」
「見て見ぬふりですね」
「しかもわざとだ」
「見える場所にですね」
「情報を置いている」
口には出さないが露骨にだ、エウロパに情報を渡しているのだ。
「そうしてくれている」
「そうですか」
「そのまま供与しては連合からも言われる」
「エウロパに情報を渡すなと」
「口に出して言われずともな」
「不快感はですね」
「向けられる、しかしそうしたことにすればだ」
エウロパの工作員達に情報を盗まれたということにすればだ、こうしたスパイ活動は同盟国が相手でも行われるのが国政政治だ。
「言われることもない」
「マウリア政府としては」
「何もな、またマウリア政府もだ」
その彼等にしてもだ。
「ここで責任者を曖昧にして」
「捜査もですね」
「適当に行えばだ」
ポーズだけを見せたうえでだ。
「そうすればだ」
「何もですね」
「問題はない」
そうなるというのだ。
「誰も首を切らなくて済む」
「巧妙と言えば巧妙ですね」
カミュはその端正な顔にシニカルなものを含めて述べた。
「マウリアらしいですが」
「それはそうだな」
「やはりそうですね」
「マウリアは昔からそうした国だ」
「そうしてわかっていてですね」
「相手に塩を送ったりする」
そうしたことと連合とエウラパにしているというのだ。
「食えない国ではある」
「はい、しかしですね」
「我々は乗るべきでありだ」
「総統も」
「乗る、私は復興と発展だけで終わらせはしない」
エウロパ、この国をというのだ。
「さらにだ」
「連合以上のですね」
「そうした国にするのだ」
「エウロパを」
「エウロパ、我々が世界を主導している時代はだ」
帝国主義時代から第二次世界大戦までの時代だ、そのはじまりは大航海時代からだとエウロパでも連合でも言われている。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ