暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第218話「全てを呑み込む絶望の闇」
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ま、だ……まだっ……!」

 未だに絶望に抗っているのは、優輝と……なのはのみ。
 優輝は引き続き祈梨の相手を。
 なのはは、魔力弾を乱射して飛んでくる“闇”を相殺……否、逸らしていた。

「っ、く、ふぅっ……!」

 息をつく暇もなく、なのはは魔力弾を放ちながら飛ぶ。
 とこよでも回避で精一杯な“闇”を、なのはも同じように避け続ける。

「ッ……!」

「ぐっ……!?」

 だが、その拮抗も間もなく崩れた。
 とこよはついに回避が間に合わず、なのはは至近距離で魔力弾が“闇”とぶつかった際の爆風によって、“闇”が当たりそうになる。

「“防げ”!!!」

 刹那、優輝が二人の前に割り込む。
 言霊と“意志”を利用した力任せの障壁を展開。“闇”を防ぐ。

「っ……!」

 拮抗は一瞬。“闇”が障壁を浸食し、あっさりと突き破る。
 しかし、そのおかげで二人を被弾から救った。

「優輝、どうするの……?」

「……元の世界への道は、結界で塞がれていた。……結論から言えば、もう勝ち目は潰えた。逆転の可能性は既にゼロに等しい」

「っ……」

 敗北を肯定したその言葉に、誰も言い返さない。
 もう、本能が敗北を理解していたのだ。

「攻撃が止んだ……?」

「違う。“詰め”だ」

 “闇”が降り注ぐのが止まり、なのはが訝しむ。
 だが、優輝には分かっていた。……“もう、その必要すらない”のだと。

「正面からぶつかるだけでも勝ち目がない力量差に加え、態々誘い込んだ上で逃げ道を塞いだ。……そこまでするか、イリス……!」

「ええそうですよ。そこまでしなければ、安心できませんよ、ねぇ?」

 絞り出すような優輝の()()()()に、イリスが答えた。
 同時に、イリスやソレラ、洗脳された皆が現れる。
 囲うように、他の神々や“天使”も現れた。

「ぅ……ぁ……」

「っ……」

 久遠と優香はその場にへたり込み、光輝も膝を付いて放心していた。
 とこよと蓮、なのはも目を見開いており、絶望がありありと見えた。

「………」

 優輝もまた、もう希望を見出せなくなっていた。
 あらゆる手段を考え、即座にそれらが通じないと確信して切り捨てる。

「(……唯一活路を開けるとすれば、イリスの洗脳を解く事……か)」

 既に洗脳解除の類の術式を優輝の手の中にある。
 今までの行動と並行して組み上げられたそれは、術式において最高峰のモノだ。
 その術式を超える洗脳解除術は存在しないと言える程だ。

「(これでダメなら……!)」

   ―――“Seele Genau(ゼーレ・ゲナウ)

 転移と同時に、その術式を発
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